はだれ雪 上 (角川文庫)
はだれ雪 上 (角川文庫) / 感想・レビュー
しいたけ
葉室麟が描く、もうひとつの忠臣蔵。武士であること、ひいては人であることを見つめ続ける流罪人、永井勘解由。預かる扇野藩では旗本である勘解由の扱いに迷い、接待役との名目で若き後家、紗英を見張り役に側に置く。二人の凛とした気の置きどころ。世の闇を知る勘解由の優しさ。詰められない距離。舞い降りる雪のように静かな想い。春の訪れを願うあまり、手のひらが湿り頁をめくりやすくする。時代ものの恋に、私は滅法弱い。
2018/10/27
Smileえっちゃん
葉室さんということで借りてきた図書館本。忠臣蔵が背景に書かれています。浅野内匠頭の切腹前の遺言を聞いた為、扇野藩預かりとなった勘解由。接待役として仕える紗英。流罪の為、常に見張りが付くが、秘かにに訪ねてくる人たち…討ち入り後の二人が気になりながら、下巻に進みます。主人公の武士として矜持ある姿、やはり葉室さんです
2020/10/08
ユメ
浅野内匠頭の遺言を聞き届けたことで流罪となった永井勘解由という人物を主役に据え、赤穂騒動によって人生を狂わされた男の生き様を通して、討ち入りを義とする精神と向き合う。勘解由、そして赤穂浪士たち、命のやりとりを重ねてきた男たちが、本能的な死への恐怖よりも尊ぶものがある。命を捨てることをよしとするわけではないが、死してなお貫きたい信念がある意志の強さは美しいと思う。こんな男たちに惚れたところで平穏な幸せが訪れるわけがないのだが、そう知りつつ勘解由に惹かれるのを止められない紗英の心に、いつしか寄り添っていた。
2018/12/14
さよちゃん
「散り椿」を読んで、もう少し葉室さんの描く時代物に浸りたくて…。赤穂藩主浅野内匠頭の最期の言葉を聞いたという事で流罪となった江戸の旗本永井勘解由。その接待役兼監視役になった扇野藩士の後家となった紗英。なかなか機転が利く人で、そして勘解由もすごく好感が持てる(笑)今後の展開が楽しみ。下巻へ進みます。
2018/12/15
ギンちゃん
若くして後家となった紗英は永井勘解由の監視役を命じられる。江戸城内で刃傷事件を起こし即日切腹となった浅野内匠頭の“最後の言葉”を聞いたとされ、流罪となった男である。勘解由の周囲ではそれぞれに思惑があり動き出していく。皆がどの道をどう進むのか、切ない予感を抱きながらこのまま下巻へ進みます。
2018/12/18
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