デカルコマニア (角川文庫)
デカルコマニア (角川文庫) / 感想・レビュー
佐島楓
風変りな題名に惹かれて手に取った。思ったよりも物語の世界に入っていくのに時間がかかった。読了しても著者のたくらみをつかみ切れていないなと感じる部分が多く、解説が理解の一助となった。
2018/08/08
エドワード
まさにメビウスの輪!一読では解らず、二度目はメモを取って読んだが、完全には理解出来ていない。でも雰囲気は解る。映画でも時々あるね、雰囲気だけ楽しんで帰ること。主要な舞台は20世紀のイタリア?っぽい街。貴族や漁師や灯台守がいる時代。そこへ23世紀から未来人が漂着する。タイムマシンはハコブネだ。SFと中世のハーモニーが創り出すめくるめく世界。未来人と記述されていない、意外な人物が未来人だったりする。少年少女の髪や瞳の描写が「読む少女漫画」だ。小谷真理さんも書くとおり、私も即座に竹宮恵子の絵が脳裏に広がったね。
2019/08/06
たぬ
☆2.5 うーん物足りない…なんか観察記録を読んでるみたいで盛り上がりに欠ける。わりと読みやすい文章ではあったから全部読み切ったけど(とはいえ最後のほうはやや斜め読み状態)。収穫があるとすればレモンドーナッツがたまらなくおいしそうってことかな。
2022/06/15
冬見
時間の上を行きつ戻りつしながら生きる一族の物語。時間旅行装置《デカルコマニア》に乗って未来からやって来る者たちと時間の中を渡り歩く者たち。語り手はいつだって本当のことを言っているつもりで、だからこそ真実にはなかなか手が届かない。ぐらぐらと脳みそを揺らしながら、時間と空間の坩堝に呑み込まれてゆく。始まりから終わりまでたいへん長野まゆみ的で大満足。新世界やカルトローレの匂い。読み終わった後、家系図を書くのが楽しかった。
2019/01/15
Yuri
250年という時空を超えて行き来する壮大な物語。登場人物も時系列もややこしいのですが、すんなり読めるのは流れるような日本語の美しさなのかも。
2022/02/13
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