昨日の僕が僕を殺す (角川文庫)
昨日の僕が僕を殺す (角川文庫) / 感想・レビュー
スズ
母が父を殺害する事件を起こし、叔母の住む小樽に単身移住したロシア系クオーターの少年淡井ルカは、事故死した叔母のお気に入りだったパン屋を訪れる。その帰り、いじめっ子の命令で廃屋の中へ足を踏み入れ不気味な老婆に襲われたルカだが、彼を救い出してくれたのはパン屋の店員で…。『櫻子さんシリーズ』の太田先生が描く、人ならざる者が醸し出す恐怖と温かなパンの香り漂うあやかしホラーミステリー。悪霊の少女の花婿になる呪いを解除するため、パン屋の主人の渚を含めた人外の者達が暮らす洋館での同居生活を始めたルカの苦悩と成長が見所。
2018/08/12
芳樹
札幌から小樽の高校へ転校してきた、どこか影のある少年・淡井琉架と『あやかし』たちによるホラーミステリ。ルカの背負う十字架が重くて『櫻子さん』以上にダークな雰囲気のある小説でしたが、登場するあやかしたちが温かいので、すんなりと読み進められました。個性的なキャラクターたちが魅力的。特に常にぷりぷりしてる蝶子が可愛いけど、その正体が気になります。本作はあやかしたちとの交流を通じてルカが成長する物語なのでしょうね。今後どのように展開されるのかが楽しみです。同じ北海道が舞台だし『櫻子さん』とのリンクはあるかな?
2019/01/27
ami*15
あやかし系というところが今までの太田さんらしくなかったけど、各キャラクターの設定とか北海道への愛といった点は別作品と通じるところもあり、人に溶け込んだあやかしと人間が共存する小樽の街にとても魅力を感じました。ルカが大好きだった叔母に会うことはもうできない、辛い過去も背負いながら生きる彼を助けてくれたのはパン屋『フレープ・ソーリ』に暮らすあやかしたち。作中でルカは何度も危険な目に遭いながらも彼を支えてくれるあやかしの活躍が素敵な物語でした。個人的にはルカと榊さん(ブン)との友情を感じる場面が好きだった。→
2018/08/04
sakai
ちょっと気になっていた作品だったのでキャンペーンを機に。舞台は北海道小樽。ピロシキをはじめ、ロシアの空気を感じながら読み進めているが、登場するあやかし達は百鬼夜行抄を彷彿とさせるので ちゃんぽん感があふれまとまりがないような印象を持った。でもひとつひとつの要素はとても面白いので、2巻でうまく混ざり合ってくれたら 個人的にはたまらん作品になる予感がする。ピロシキめちゃくちゃ美味しそう。りんごのピロシキ食べてみたい。
2019/02/12
ぽぽ♪
過去に傷を持つ高校生、ルカ。一緒に暮らしていた叔母が亡くなり、ひょんな事から行き着けのベーカリーで暮らす事になり…思ってたよりホラーミステリーでした。まだルカの中に残された黄泉の澱みも吐き出されて無いですし、シリーズ化しそうな感じで楽しみです。
2018/10/02
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