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虚実妖怪百物語 序/破/急 (角川文庫)

虚実妖怪百物語 序/破/急 (角川文庫)

虚実妖怪百物語 序/破/急 (角川文庫)

作家
京極夏彦
出版社
KADOKAWA
発売日
2018-12-22
ISBN
9784041074343
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虚実妖怪百物語 序/破/急 (角川文庫) / 感想・レビュー

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優希

破茶滅茶なメタフィクションと言えますね。水木先生を偲んで紡がれた物語は、実在・非実在関係なく様々な人が登場するのが凄いところです。どんどん憤死していきますが、登場することに価値があると言ってもいいかもしれません。ストーリーもあるようでないので混乱しそうでしたけれども。京極式レクイエムは意味のない音楽なのかもしれません。ただ楽しめれば良いという精神で書かれた気がします。

2022/09/15

GM職員

かの魔人・加藤保憲の計略により、人心が荒廃し社会が崩壊する日本。立ち向かうのは京極先生や荒俣先生ら妖怪の徒!妖怪だらけの和製へっぽこ『レディ・プレイヤー1』!─いや少し違うか…。まぁ言うこと起こることは馬鹿馬鹿しいんだけど、近年の排他的で不寛容な声の高まりが重なり、見えてくるのは皮肉を込めた風刺…と警鐘。たぶん。「全員、自分が善だと信じ込んでいるのである」って、声がデカいだけのバカがデカい面してのさばって、出来上がるのは息苦しい社会。妖怪のような無駄を楽しむ余裕を持てる世の中が、まっとうな世の中なんだ。

2019/03/24

ポルコ

どすこい(仮)みたいな、超おバカ小説。1388ページもの大作なのに、な〜んにも心に響かない本だったが、心穏やかでいられるのは京極夏彦の力業かも。しかし、絶対に二度と読み返すことはないだろうな。楽しかったし怒ってないけど。

2019/04/24

東京湾

「馬鹿が世界を救う」これが京極版『妖怪大戦争』であり、そして壮大な馬鹿話である。実在する人物や作品なども多く登場し、それらが闇鍋の如く煮しめられ一気読みでも試みようものなら胸焼け確実な、他の京極作品とは別の意味で濃い一作だった。物語の基礎にあるのは「けんかは止せ腹が減るぞ」と「この世には不思議なことなどない」の二つ。ただのドタバタ喜劇ではなく、余裕を失う現代社会への警鐘や学問・文化との向き合い方なども含まれており、その上で娯楽小説として特化している。何でもありのやりたい放題な“虚構”、とにかく愉しかった。

2019/04/30

Yuki

日本を転覆させんと暗躍する魔人加藤と突然妖怪が視認されるようになり混乱する日本全土。その不可解さに惑わされ余裕をなくし、妖怪及び妖怪を研究または愛好する者がどんどん迫害されていく様は今のコロナパニックに重なって、面白くとも真顔になる。けれども妖怪を愛する馬鹿たちの、心の余裕を失わない行動が笑いを生んでくれる。実名小説で妖怪大戦争という荒唐無稽の書。自粛外出制限の今だからこそ、読んでよかったなと思う。

2020/03/06

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