キャバレー (角川文庫 く 2-25)
キャバレー (角川文庫 く 2-25) / 感想・レビュー
くたくた
久しぶりに、明日の仕事の事も考えずに夢中で読み切った。初読はたぶん初版、1984年って。年はとりたくないもんだ。今にして読むと、矢代君が青いったら。。。若いったら。。。この歳になると、さすがに矢代の内心ポエムはちょっと恥ずかしくはある。ジャズの世界で生きるべく、生まれ育ちを捨てて、場末のキャバレーで人生修行中のサックス奏者矢代と、強面のヤクザの滝川の束の間の邂逅。きらめく才能と無知と若さ故の向こう見ずを、まるで壊れやすい宝物のように守ろうとする滝川。場末が場末らしく、ヤクザがヤクザらしかった時代。
2022/05/06
金城 雅大(きんじょう まさひろ)
良い小説だった。自分の中にあった、あるいはまだある青臭さを思い出させてくれる。 ある程度年齢を重ねてから読んだ方が味わい深い一冊だと思う。
2019/07/27
ばんぶー
東京駅で目的の店の開店前に三省堂で時間を潰してたら、三省堂限定復刊という事で、手に取り、懐かしい!という事で買いました。昔、読みいましたが、すっかり忘れてました(笑)確か、野村宏伸の主演で、映画にもなってましたよね?違うかな?
2019/05/25
karatte
本物のジャズを希求し、敢えて猥雑なキャバレーに身を置く若きサックスプレイヤー・フルート奏者の矢代。そのサックスの音色に何かを感じ取った暴力団の男・滝川との奇妙な交流から始まる、熱くてクールなジャズ小説。と同時に、世知辛い世の中の思惑に翻弄されるしかない一青年の遍歴を描いた青春小説であり、高尚な魂の求道をストイックにしたためた教養小説でもある。キャバクラに呑み込まれる遥か以前、昭和末期という時代を感じさせる差別用語丸出しの赤裸々な描写も、都会のいかがわしい喧騒を表現するにはぴったり。
2020/01/18
Tanaka9999
1983(昭和58)年発行、角川書店の単行本。少しこれまでとテイストは違うものの、やはりこの時代を舞台としたと思われる風俗ものには引っかかるものを感じる。話としては、途中のエピソードでなんか必要ないんじゃないかな、と思ってしまうものがあったりする。とはいえラストの決意の部分と「あの人の名前も知らなかったんだ」という独白がかなり効きます。そこへ向かう成長物語としてかなり面白いです。
2022/01/21
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