ジョン万次郎漂流記,本日休診 (角川文庫クラシックス い 3-1)
ジョン万次郎漂流記,本日休診 (角川文庫クラシックス い 3-1) / 感想・レビュー
giant_nobita
先に映画の『本日休診』を観ていたのだが、『遥拝隊長・本日休診』(新潮文庫)ではなく、たまたま積ん読にしていたこちらを読んだ。新潮文庫だけでなくこの文庫版も品切れになっているのは、読売文学賞受賞作である「本日休診」があまりおもしろくないからだろう。女性患者の扱いに長けた老内科主任の「宇田さん」は魅力的だが、映画に比べて構成が甘いしユーモラスな物語なのに結末も暗い。「ジョン万」は資料の引き写しと思しい箇所は叙述が平板だが、ジョン万の数奇な人生に好奇心が湧くし、日米ともに親切な人が多くて素直にいい話だと思った。
2017/05/23
ふたし
三篇収録。「ジョン万次郎漂流記」鎖国状態の日本への帰国は過酷。アメリカ人が優しい。「本日休診」町医者の話。医者が飲酒運転しちゃいけませんぜ。「珍品堂主人」騙し騙され骨董の世界。料理屋をやってみれば追い出され。全体的に、悪くないのに酷い目に遭う人を描いているが、悲憤慷慨したり権利主張をしたりしない。
2023/09/11
よっちゃん
井伏先生のジョン万次郎。また違う万次郎の側面を見ることができた。知らない事実が一杯出てきた。やはりジョン万次郎は勤勉な人だったのだろう。地元の大渡海岸に上陸した後の顛末が興味深かった。本日休診を読んでいて井伏先生は医者かと思った。でもプロフィールにはそんなことは書かれていなかったように思う。骨董品の話はまあまあかな?
2018/09/08
なおぱんだ
著者の直木賞受賞作となった「ジョン万次郎漂流記」と、もう一つの表題作である「本日休診」に「珍品堂主人」の3作を収めた作品集です。「ジョン万次郎漂流記」は、鯨取り漁師の見習いの少年が乗船する漁船が、土佐沖で暴風雨にあって遭難し、日本からはるか遠く離れた孤島に打ちあげられたところを、たまたま通りかかった米国船に救助されてアメリカまで連れて行かれる。異国で数年を過ごした後、日本に帰国すると鎖国が解かれて政情が混乱しており、異国との交流を余儀なくされた中で数少ない日本人通訳として活躍するという実録小説です。
2021/01/30
おおきなかぶ
ジョン万次郎漂流記のみ再読。やはり、面白かった。
2023/01/03
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