誰がために鐘を鳴らす (角川文庫)
誰がために鐘を鳴らす (角川文庫) / 感想・レビュー
エドワード
生徒数が減り今年度で廃校となる県立諏那高校。偶然見つかったハンドベル。四人の生徒と二人の先生で演奏を始める物語。山本幸久さんは実際に演奏経験があるのか、演奏の描写が実に詳しい。個性的な錫之助、美馬、土屋、播須が、時に諍い、時に協力して困難を克服する日々が青春だね。彼らにからむ霧賀久仁子―「店長がいっぱい」に出て来るキャリアウーマンが隣の名門女子校のハンドベル部OGというところがミソだ。その神秘的な音色はクリスマスに似合う。途中サスペンスなドラマを挟み、高校が無くなった後も四人の友情は永遠に続くだろう。
2022/04/19
タルシル📖ヨムノスキー
高校生の音楽モノだと、吹部かバンドが定番だが、なんとこの物語はハンドベル部!どこからこういう発想が出てくるんだろう。偶然顔を合わせた4人と、行きがかり上顧問になった先生が、いろいろな問題を乗り越えながらコンサートを成功させるという言ってしまえばベタなストーリー展開だけど、テンポがよくスッと物語に入り込めた。そういえば山本作品に悪役キャラって初めてかも。コレについてはきっちり決着をつけてほしかった。恒例のコラボは〝店長がいっぱい〟の霧賀女史。しかもゲストではなく大活躍。遠い学生時代を思い出してしんみり。
2020/06/01
Atsushi Kobayashi
ある意味ふつーの青少年小説だけど、テンポも良くって、微妙に伏線ができていて、非常によろしいです。。。
2019/04/12
NAOAMI
鐘は鳴るではなく、鳴らす。詰襟(ジャージ兎も)を着た動物がハンドベルを持つ表紙。ダメ高校男子が「ひょんなことから」はまり、大会で優勝パターン?前半は始めた理由も含め予想通り。その基本線に未来への不安や家族や人間関係の問題が絡まり、さらにお仕事小説の側面を通しての和解仕掛け等、厚みを増して展開する。90歳にみえる名伯楽、生徒を案じる44歳独身教師、ハンドベル部OG友々家の霧賀も登場し、脇役達も多彩。唯一の悪役から大切な物を奪還、付け焼き刃が奏功する大立回り。名誉の負傷からのキュン要素と、盛りだくさんな一冊。
2020/10/20
Gonzou82
面白かった。ぐっとくる所がいくつかあった。あとがき読むとスピンオフした登場人物もいるらしい。展開として意外性はなかったが人物像が各々魅力的だった。エピローグの付け足しが唯一視点が変わり、締めとしてこれで良かったのか微妙な感じ。
2019/11/07
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