狩人の悪夢 (角川文庫)
狩人の悪夢 (角川文庫) / 感想・レビュー
納間田 圭
レプリカの矢と弓を凶器にした殺人事件…右手首がない女性と左手首のない男の変死体。この事件…ひどくトッ散らかっている印象で的が絞れない。弓と矢が関係する名前の人物ばかりが登場するのは作者の…お遊び。雷で大木が倒れ道路が塞がれた夜から…少しずつ狂い始めた。場所は京都亀岡の奈落の底のような森。そこにある山荘には必ず悪夢を見るという部屋。夢を食べるという獏の剥製が置かれたログハウス。ホウホウと梟の声が誰かの夢を覚ます。ガウダカウダって何のこと?…実はそこから少しずつ浮き彫りになってくる意表を突く動機…ガウダカウダ
2019/12/29
五右衛門
読了。今作特にあ~読み終えてしまった。感が強いです。題名を見て読み始めて火村准教授が悪夢に魘されるのかなと思い読み始めました。いつもの軽妙な掛け合いがあり読み進めていくうちにこの人しか犯人居ないだろうな。当たっていました。今回は。けれど渡瀬君最後に推理したように本当はこれで満足していたのかなと思わされました。でも犯人は許せません。准教授+今回はアリスまで追及の手を弛めません。イケイケ!作中ですが編集者二人のお祝い事おめでとう!ここ最近この作家さんしか読んでないよな。次もイケイケ!
2020/04/11
キナコ
久しぶりの有栖シリーズ。人気ホラー小説家の亡くなったアシスタントを中心に事件が進んでいく。相も変わらず有栖川と火村の会話のテンポがいい。2人の会話で仮説がどんどん崩されていく様が魅力的。犯人の動機ではなく、誰なら可能かに注目した推理は容疑者がコロコロと変わるため、最後の犯人当てまでドキドキした。
2023/05/19
HANA
火村シリーズ。今回のお題は悪夢。ホラー作家、悪夢を見る部屋に手首を切り落とされた死体と今回もギミックは十分魅力的。ただ真相についてはアレの一部分をアレする理由がいまいちピンとこなかった。アレを焼く知識のある人にとって、あるものに痕跡残るのは自明の理だし、それを考えると無駄な行動としか。ただ相変わらずロジックによって真相にたどり着く道筋は、ひたすら著者の妙に酔わされる。ある一つの事実によって犯人に辿り着くのはミステリの醍醐味だけど、そこに至るまでの道筋がひたすら細い道なのよね。自分には犯人当ては無理でした。
2020/12/30
かめりあうさぎ
火村&作家アリスシリーズの長編。「読めた」というよりもはや「会えた」という感覚になるくらいこのコンビが大好きです。ホラー作家の別荘に招待され"眠ると必ず悪夢を見る部屋"に泊まったアリス。その翌日、近所の家で手首が切り取られた死体が発見される。犯人は比較的予想がつけやすいのですが、なんといっても終盤に犯人を追い込む火村のロジックの鋭さと美しさと容赦のなさがたまりません。そんな火村に寄り添うアリスの汚れのなさに読書も救われる。文庫版あとがきにはテレビドラマと本作の関係についても触れられておりファン必読の一冊。
2019/06/21
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