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ドッグファイト (角川文庫)

ドッグファイト (角川文庫)

ドッグファイト (角川文庫)

作家
楡周平
出版社
KADOKAWA
発売日
2019-07-24
ISBN
9784041082102
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ドッグファイト (角川文庫) / 感想・レビュー

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W-G

『再生巨流』が良かったので続けて読んでみた。打開策が『再生~』とは真逆のアプローチなのが興味深い。スイフトの堀田がいい案配に嫌な奴なので、勧善懲悪風味になってはいる。しかし、コンゴウのオペレーションも相当に現場を泣かせていそう。冒頭の坂道のくだりはその後解決したのか?フィクションとして読んでいるのに、門外漢からすると「なんでコレを現実にやらないんだろう?」と思わせる、説得力のある筆はこびと、草の根分ける業界内描写がコンパクトな中に同居している。課長職でこれだけの仕事が出来たらさぞ楽しいだろう。

2020/02/08

相田うえお

★★★★☆19091 企業小説って、読書中でも齷齪してしまうので最近は敬遠傾向なんですけど、これは面白かった!配送業務を都合よく運送会社に投げつけて、いいとこ取りを企むネット通販最大手スイフトジャパン、スイフトに偏った配送量比率の業態から脱却しようと新たな戦略に挑む日本最大手運送会社コンゴウ陸運。お互いの思惑がどうなるのか、先が気になる展開でした。これ、解説を読むとamaz○nとヤ○ト運輸がモデルみたいですね。事実に基づいた情報と創作部の区別は付きませんが、どちらも身近に利用してるので興味深く読めました。

2019/10/02

まつうら

物流会社を舞台にした新規ビジネス創造の物語。「再生巨流」や「ラスト・ワン・マイル」もそうだったが、著者はどうしてこんなにも新規ビジネスを構想できるのか、そのビジネスセンスには本当に感心してしまう。この作品のスイフトvsコンゴウ陸送の戦いは、そのままアマゾンvsヤマト運輸の戦いだ。お互いになくてはならない関係性の両社が、文字通り食うか食われるかの戦いをする様子は手に汗を握る。さらに見方を変えるなら、いまや独り勝ちとも言えるアマゾンを蹴落とすプランがここに詰まっていて、とても興味深く読了。とてもおもしろい!

2022/12/15

Kazuko Ohta

ヤマトがアマゾンの当日配送から撤退すると聞いたとき、思いきった決断をしたなぁと驚きました。本作はフィクションではあるものの、内情はまさにこんなだったのでしょう。アマゾン専属の配送業者にされるのは阻止したい、でもアマゾンの配送がなくなったら会社はどうなるのか。ヤマトを応援したくなるけれど、私だってもはやアマゾンなしでは成り立たない生活を送っている。世のため人のためになり、喜ばれるサービス。そこに関われることこそがビジネスの醍醐味。はたしてどれだけの会社が、人々が、それを感じて仕事をしているのか。私も含めて。

2020/03/01

Walhalla

物流をめぐる、ネット通販大手と運送会社の戦いを描いた作品でした。モデルは明らかですね。熱帯雨林を想像させるあの会社と、黒いネコちゃんのあの会社です。当日配送や再配達などは嬉しいサービスですが、『安くて便利なのにはちゃんと理由がある』という言葉にあるように、労働条件の悪化や運賃単価の低下など、運送会社の苦しい立場は実際に話題になっていますね。また、超高齢少子化・過疎化・買物難民など社会問題にも向き合った作品でした。著者が物流を描いた作品として「再生巨流」「ラストワンマイル」も読みましたが、どれも面白いです。

2020/10/01

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