007 逆襲のトリガー (角川文庫)
007 逆襲のトリガー (角川文庫) / 感想・レビュー
Tetchy
私が今回感心したのは物語の舞台を現代ではなく、過去、つまりイアン・フレミングが現役で新作を紡いでいた時代、1950年代に設定しているところだ。それが007シリーズならではの雰囲気を演出しており、私個人的には映画の世界に一気に引き込まれるような錯覚を抱いて、物語世界に没入できた。そしてホロヴィッツは本当に器用な作家だと今回も痛感した。時代設定を敢えてシリーズがリアルに執筆されてきた年代にすることでシリーズ特有の雰囲気を味わえるし、また正典のキャラクターやエピソードもふんだんに盛り込まれ、地続き感が味わえた。
2020/09/09
オーウェン
こちらのジェームズ・ボンドはオリジナルに沿った中身。時代はゴールド・フィンガーの後であり、そこから繋がる人物に加えて、いつものようにMの依頼から、カーレースの世界に飛び込むボンド。そしてソビエト政府の陰謀に繋がる実業家の存在を嗅ぎつける。色々とサービス的な部分を見せつつ、現代にも通じるボンドのアップデートがなされている。 生き埋めされた中での決死の生還シーンも手に汗握るし、銃撃戦やカーアクションに最後の戦いまで。 後書きには第2弾のオファーがホロヴィッツにあったというが、そちらは邦訳されるのだろうか?
2023/01/30
goro@80.7
「ゴールドフィンガー」後の007を描い物語となってました。フレミングの小説は未読なので脳内はショーン・コネリーで再生。危機一髪のシーンで現れる美女はハル・ベリーにして最後まで楽しめた。これは逆スターシステムとして007を誰に書かせるか永遠に続けられそうなスタイルだな。他の作家が書いた007も読みたいけど、やっぱり本家もちゃんと読まなきゃと思う今日この頃です。
2022/09/27
future4227
『カササギ殺人事件』の穏やかなストーリー運びとは全く対照的なスリリングなスパイ活劇。いやぁ、ホロヴィッツの多彩さには驚かされる。ジェフリー・ディーヴァー版の007の時にも思ったけど、とにかくボンドのドライビングテクニックがF1レーサー並み。そして、息つく暇もなく次々と襲ってくる絶体絶命のピンチ。仲間に助けられ、運に助けられ、何度も挫けそうになりながら、けっして無敵の強さで切り抜ける訳じゃないってところが、いつものボンドと違って新鮮。ボンドガールもいい働きしてる!
2019/10/05
chiseiok
今をときめくホロヴィッツ。以前読んだ少年スパイのシリーズは自分的にはイマイチ(いやイマサン?)くらいでした。が、今回の主人公は大人、しかもなぬ?あの殺しのライセンス保持者だと!と読んでみる。ディーヴァーのリライト007との比較も興味あったしね。序盤はまぁ置いといて、終盤の疾走感と傷みまくる主人公(グレイマンほどではないw)は、あら良いんでないの?活劇小説の主人公は傷んでなんぼですよね笑。ディーヴァー比でもわくわく度高いし、上手いなぁとは感じたけれど、うむむ…がっつりハマるほどでは無かったかな(^_^;)。
2022/06/12
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