極上の罠をあなたに
極上の罠をあなたに / 感想・レビュー
いつでも母さん
こんな『便利屋』があったら、私は何を依頼するだろう?悪の裏をかくのがこれまた悪と来た。このP県槻津市!グダグダで帯の『悪と悪とが共喰い祭り』は伊達じゃない。まぁ、いつものことながら私は罠に填まりっぱなしでしたが(笑)一体『便利屋』は何処へ行ったのでしょうか?商売繫盛で大忙しってことならこの国はどんだけ膿んでるだ!県警のお偉いさんの動きも気になったのになぁ。連作4話、久しぶりの深木さんを堪能しました。
2019/10/17
machi☺︎︎゛
極上ではないけど罠にハマってしまった。最後にギャフンとなる連作短編集。一般的にはいい人であるはずの職業の人が悪い人だったり、全部の話のキーワードになる便利屋の素性は分からないままだったりしてモヤモヤする部分はあるけどサラッと読めるミステリーで面白かった。人は簡単に信じてはいけないって事!!
2021/02/21
🐾Yoko Omoto🐾
政治家、葬儀屋、医者、刑事、弁護士、肩書きは立派でも狡賢い狐のような悪人ばかりのP県槻津市を舞台にした連作短編。金はいくらでも欲しい、邪魔者には消えて欲しい、旨い汁を吸い続けたい、際限無い野心を抱く狐たちの前に現れる「便利屋」を名乗る男。彼が受ける依頼は犯罪そのものではないが、依頼人たちの行く末を全て見透かした上で手を貸すかのような、実に不気味な存在として描かれる。連作らしい各話の見事な繋がりに、コンゲーム的要素をガッツリ組み込んだ面白さで、謎残しの加減もいい。便利屋はまた別の街で暗躍するのかも知れない。
2019/11/25
utinopoti27
騙すつもりが騙されて、二転三転する話はどこへ行きつくのか・・。政治家、弁護士、警察官、葬儀屋等々、4つの短編に登場する人物はみな筋金入りのワルばかり。他人を踏み台にして自分だけ甘い汁を吸おうと、虚々実々の駆け引きが飛び交う中、ふと気がつけばそこにいる「便利屋」。捉えどころがないようでいて、海千山千の悪党どもを手玉に取る「笑うせえるすまん」を彷彿とさせる、不思議なキャラだ。元弁護士という異色の経歴を持つ作者が仕掛ける極上の罠も小気味良し。ただ、続編狙いなのか、回収されない伏線が多いのは気になるところだった。
2020/07/05
モルク
「人には頼みづらいが、自分でやるにはちょっと…」という文からはじまるダイレクトメールが便利屋から届く。住所も名前もメールアドレスもなく、書いてあるのは携帯番号と便利屋という名だけ。胡散臭さを感じながらも、脛に傷のある者は彼に連絡をとると、現れたのは印象が薄く機械のような声…4話の連作短編集。医師、葬儀や、刑事、弁護士…騙し合う彼らのさらに上をいく便利屋。そして最後まで便利屋は謎のまま。謎であるというのがまたいいのか、続編ありきっていうことかな。
2021/05/04
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