文庫版 オジいサン (角川文庫)
文庫版 オジいサン (角川文庫) / 感想・レビュー
じいじ
相変わらずオモシロいです。「一日はあっという間に終わるなぁ!」主人公の徳一爺さんと同じ心境で、三度目を読み終えた。爺さんと同じ72歳の時に単行本を読んで、9年が過ぎました。文庫化されて再読。そして先日、この表紙が一新されたのを店頭で手にしたら、又また読みたくなった。表紙のベンチに座る爺さんに、老境に入った自分自身が重なり、一層の親しみを感じてしまった。「オレには、死ぬまであと何日あるんだ…」と語る爺さんの言葉に、残された人生の一日一日を〈一所懸命に生きる〉ことを教わりました。もう一言、続編が読みたい!
2021/10/23
chantal(シャンタール)
益子徳一、72歳、独身の一人暮らし。ある日公園で小さな子に「オジいサン」と声を掛けられてからの一週間の物語。物語と言っても何も起こらない。ただ徳一さんが毎日何をして何を考えてるか、日記のように書かれているだけ。なのに面白い。徳一さんの境遇は私のものと似てる。そう遠くない未来に私も「オバあサン」と呼ばれる日が来るのだろう。その時、心安らかにそれを受け入れる事が出来るだろうか?歳をとる事が悲しい事だなんて思うような、そんな社会じゃほんとはいけないのにね。いくつになっても、人生謳歌出来ますように!
2020/04/29
紫 綺
単行本にて既読。へ理屈こねこね、メンドくさい「オジいサン」益子 徳一 72歳6箇月 独身独居。だが人間的に嫌いではない。真面目に淡々と生きる徳一の「オジいサン」日記である。たま~にクスッと笑えるほのぼの系。
2021/12/20
ちゃとら
久しぶりの京極夏彦さんだが全く違う作風だった。72歳、一人暮らしの益子徳一が主人公。清貧に毎日きちんと暮らしている徳一さんが、ある日公園で「オジいサン」と耳にする。頭の中でその発音にこだわりまくる。スーパーでひょんな事から、普段は食べないウインナーを買ってしまい、料理に四苦八苦してみたり、近所のパワフルなお婆さんに振り回されたり。日常の中の徳一さんの頭の中を細かく描いている。京極さんが上手すぎるので、混乱具合がリアルに伝わり、こちらまで混乱してきそうな作品だった。
2021/09/25
GAKU
定年退職後72歳になる、公団アパートで独身一人暮らしの、益子徳一の日常を淡々と描いた小説。特に事件に巻き込まれたり、日常と違った出来事が起こったりという事もありません。京極さんと言えば京極堂シリーズしか読んだ事がなかったのですが、このような作品も書くのですね。若い人が読んでも面白くないでしょうが、もうすぐ老人の域に入る年代の人達にはお薦めかも。
2021/05/01
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