紙屋ふじさき記念館 麻の葉のカード (角川文庫)
紙屋ふじさき記念館 麻の葉のカード (角川文庫) / 感想・レビュー
しんごろ
和紙をテーマに、和紙に対する愛情、温かさ、優しさがすごく感じる話。一成の和紙に関する知識量がすごい。一成は百花と出会ったことで、和紙だけでなく人と向き合って何かをつかんでほしいな。物語はというと、百花が小物を作る所は、映像が浮かび“できるかな”のノッポさんのよう。日本橋ツアーのシーンは“出没!アド街ック天国”のようで、昭和の香りが漂う。もしかして、ほしおさなえさんは、和紙、活版印刷、金継ぎ、銀塩写真、古い空き家など昭和の古き良き物を現代に甦らせて、今の人に利用してほしいと考えているのかもしれませんね。
2020/03/26
寂しがり屋の狼さん
わぁ💕読んで良かった〜(◕ᴗ◕✿)私の生まれた村では工芸和紙が有名で、小学校でも冬になると授業で紙漉きをします。中学生の時はクラブの3人で畳2畳ほどの大きさの卒業作品を制作し記念館にも展示されました。楮(こうぞ)に三椏(みつまた)といった植物【原材料】に煮熟(しゃじゅく)打解(だかい)といった工程など…懐かしい。『文字は言葉を形にしたもの、目には見えない重さがあり、文字をのせる紙にはそれだけの力が宿っている』文中より。…頑固で偏屈で引きこもりの一成と内気な百花の和紙に魅せられた二人の物語。
2023/08/19
シナモン
今回は紙がテーマ。忘れ去られていきそうな日本の伝統の世界がいつもながら丁寧に描かれていて興味深かった。いろんな和紙を集めて綴じたノート、素敵だな。あまりにも素っ気ない変わり者の館長と百花のやり取りにヒヤヒヤする場面もあったけど、記念館のこれからとともに、これからどんな風に変化していくか楽しみ。他のシリーズとの繋がりもあるのかな。続けて読んでいきたいと思います。
2021/05/01
mariya926
紙屋ふじさき記念館でアルバイトを始める主人公の百花。館長である一成は紙については詳しいけど、愛想がないので少し怖い存在。この二人+大学の友人で、廃館になりそうなふじさき記念館を盛り立てていくストーリーです。イベントやInstagramでどう盛り上げていくかも詳しく載せてあって、そうやって拡散していくんだと分かりました。それぞれが自分の得意分野で頑張っていて、ちょっと頼りなく百花も古紙を活用するアイディアが良くて、読んでいて面白かったです。シリーズになっているので続きも読みます。
2021/11/18
ゴルフ72
ほしおさなさんらしい作品!手を伸ばせばどこにでもある紙だが和紙となると中々手に取る機会がない時代に、この作品は和紙のすばらしさを教えている。大学生の百花がそりのあわない藤崎一成と出会い、より一層和紙のすばらしさを知り、父の影を追いながら前に進んでいくこの物語はどのように発展していくのかが楽しみな作品になっていくことは間違いない。次号を楽しみしています。
2020/03/23
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