こわい本5 執念 (角川ホラー文庫)
こわい本5 執念 (角川ホラー文庫) / 感想・レビュー
鱒子
「蝶の墓」「へびおばさん」収録。蝶の墓は、寄せては返す丁寧な構成の作品。へびおばさんは、サツキとメイのような姉妹が出てきてほのぼのしますが、やはりホラーです。友達の家で手打ちの鍋焼きうどんは、なかなかレアかと(笑 巻末は横尾忠則さんと楳図かずおさんの対談。解説は「呪怨」でお馴染み清水崇監督。毎巻末がゴージャス!
2021/10/30
keroppi
「執念」がテーマの第5巻。「蝶の墓」と「ヘビおばさん」の2作が収録。どちらも初読。ページをめくっていて現れる大きなコマ割りにゾッとさせられる。蝶が怖くなる。巻末には横尾忠則との対談が収めらている。ちょうど今朝のNHK「日曜美術館」で横尾忠則を取り上げていて、楳図かずおとの共通点を感じた。描く世界観が近い気もするし、同い年で、二人ともボーダー柄の服を好んで着ている。横尾忠則は対談の中で少年誌の絵物語が原風景だそうで、そう言えば、作品にそれらしきものを感じる。お二人とも85歳、まだまだ作品を発表して欲しい。
2021/09/26
Vakira
【楳図かずお追悼読書】第3弾 「こわい本」の5巻目。「蝶の墓」「へびおばさん」の2作収録。昭和40年代頃の作品。今回は恐怖の理由は心理的原因。漫画の演出上手いですね。てっきりオカルトとか怪物ものかと思って読みますと実はミステリー。ヒッチコックとかアルジェントの映画のような感じ。少女が主人公で心理的恐怖物語だからアルジェントかな。今から約55年も前の作品です。確かに絵柄は独特の古めかしさがありますが、恐ろしいのは怪物ではなく、人間の欲望というオチが新鮮で素晴らしいです。このシリーズ完読したくなりました。
2024/11/26
ぐうぐう
執念を描いた二作「蝶の墓」と「ヘビおばさん」を収録した『こわい本』第5巻。蛇や蜘蛛といった視覚的な不気味さを恐怖の装置にしていた楳図かずおが、蝶という綺麗で可愛い対象を恐怖に配置する意図は、そこに心理表現を持ち込もうとするためだ。その意欲的なチャレンジが、ものの見事に成功しているのが「蝶の墓」。恐怖の根源を探る展開は、ミステリとしての面白さを引き出していると同時に、心理的恐怖表現という高みへ楳図を、読者を導いていく。(つづく)
2022/02/10
あたびー
「蝶の墓」「ヘビおばさん」の2篇収録。「蝶の墓」生まれたばかりのめぐみを抱いて二階のベランダから落ちて死んだ母。めぐみは病的に蝶を怖がる娘に成長した。やがてめぐみが黒い蝶を見ると災が起きるようになる。父の周りに黒い蝶を見た後父は失明、世話をする名目で継母が家に入り…。蝶を恐れる原因は解明されたが、災の前に蝶を見て予知するのはなぜだか分からなかった。 「ヘビおばさん」継母再び。昔継母というと本当に悪く取られることが多かったなあ。まあ、楳図漫画ではすべてトゥルーなんだけど。
2021/10/04
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