祭火小夜の後悔 (角川ホラー文庫)
祭火小夜の後悔 (角川ホラー文庫) / 感想・レビュー
眠る山猫屋
積んでいた事を後悔。面白い!旧校舎の床下に潜むナニカと遭遇した先生、少年の腹をつけ狙う巨大なムカデ、幼い頃に契約してしまった“しげとら”という怪異に取り立てられる少女。三人に怪異の正体を語り、アドバイスをする祭火小夜。被害者(?)三人の造形も良いし、引っ込み思案でおとなしい小夜もかわいい。何故小夜が怪異に詳しいのか、小夜にまつわる怪異と対峙する4話目で前述の3人が手助けしてくれる展開も熱い。ファンタスティックな要素も織り込まれていて、普通の少女である小夜を見守りたくなるよ~。
2023/07/16
じゅんぢ
久しぶりに僕好みのホラーがきた。ホラーという点で言えばあまり怖くはないけど不思議な魅力のある作品だと思う。
2022/09/29
うまる
短編3+中編1の連作ホラー。個々の話だけだと一般的な怪談集になる所を、祭火小夜という素材を加えて連作にした事でこんなに面白くなるなんて凄いと思いました。最終話はヨメてしまう部分もありますが、それでも収束が良くできているので、連作の醍醐味を楽しむ事ができます。とても怖いというホラーではないけど構成が光る話で、綾辻氏・貴志氏・宮部氏の選評&ホラー小説大賞受賞なのも納得です。それにしても応募時のタイトルは超ダサいので、このタイトルになって良かったと思います。続巻へ🐕
2020/10/05
よっち
怪異現象に詳しい女子高校生・祭火小夜と、彼女に出会ったひとたちのある夏の連作短編集。床板をひっくり返す謎の存在を目撃する教師・坂口、巨大なムカデのようなものに憑かれて悩む少年、幼い頃に「しげとら」と取引をした少女たちと謎めいた小夜が出会い、彼女のアドバイスで彼らが救われてゆく展開で、消えない後悔を抱える小夜の事情が徐々に明らかになってゆく中、それらの出会いが彼女に心境の変化をもたらしていて、それを読みやすい文章で坂口の悔恨も踏まえて結末へと導いてゆく展開はなかなか良かったです。今後に期待の作家さんですね。
2020/03/24
Yu。
旧校舎三階の廊下の真下から現れる不気味な“あれ”‥「床下に潜む」。身体の不調に合わせる様に突如現れた“あれ”‥「にじり寄る」。幼少期にした取引の代償に怯える少女を狙う“あれ”‥「しげとら」。それぞれ問題を抱えていた前三話の各ゲストらのストーリーがあってからこそ引き立つ第四話「祭りの夜に」‥といった四編から成る連作ホラーミステリー。。一見単純な話でも、ひと捻り加えるだけで味わい全然変わるのね(料理もそうだよね🧂)。
2022/01/08
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