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少女は夜を綴らない (角川文庫)

少女は夜を綴らない (角川文庫)

少女は夜を綴らない (角川文庫)

作家
逸木裕
出版社
KADOKAWA
発売日
2020-06-12
ISBN
9784041091838
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少女は夜を綴らない (角川文庫) / 感想・レビュー

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よっち

小学6年生の時の同級生・加奈子の死から加害恐怖症に囚われる中学生山根理子。ある秘密を握っていた加奈子の弟・悠人に脅され、悠人の父親を殺す計画を手伝うことになる物語。リハビリの一環で書いた秘密の日記通りに起きるホームレス殺人。クラスでも微妙な立ち位置で挙動不審な兄や殺人計画もあり追い詰められてゆく理子。生々しく描かれる疑心暗鬼に陥った逃げ場がない状況であがく理子でしたけど、中学生ができる事には限界がありますよね。だからこそ手を差し伸べてくれる存在や偶然もあったりで何とか落ち着いた結末には救われる思いでした。

2020/06/12

なみ

人を傷つけてしまうのではないか、という加害恐怖に悩む中学生の理子は、殺人計画をノートに綴ることで衝動を封じ込めている。 殺人事件。歪んだ家族。理不尽な暴力。理子の秘められた過去。 人間の欲望と妄想が複雑に絡み合った、不安定で痛々しい傑作青春小説です。

2020/06/17

りこ

人を傷つけてしまうかもしれないという強迫観念に悩まされている理子は、毎晩“夜の日記”を書くことで不安を抑えていた。変質者にホームレス殺し、いじめに家庭内暴力と事件が多いながらも何とか均衡を保っていた彼女の日常は、しかし秘密を知る少年の出現によって崩れ始め――。設定や展開は辛いのに、澄んだ文体と適切な引き際のおかげで苦しすぎることはない。殺人計画を立てる理子と悠人が狂って描かれている分、ボードゲーム同好会の同級生たちが魅力的に感じられた。先の読めない展開に翻弄され続け、辿り着いたラストでは救われた気がした。

2020/09/05

ツバサ

過去の犯した罪に苛まれる少女のもとに、その罪に関係する少年が現れ、危険な関係を結んでしまう。複雑な家庭環境が鍵になっていて、様々なパーツが繫ぎ合わされる展開や状況に振り回されること間違いなしです。ダークな青春好きにはたまりませんね。

2020/07/01

ほたる

先の読めない展開で、するすると物語を読み進めることができた。他人を傷つけたいという衝動と戦い続ける少女にとって、夜を綴ることが安心を得る方法だった。中学生という不安定な時期だからこそ、もがかなければならないと思う。乗り越えた先には、未来が待っている。

2020/06/13

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