藤色の記憶 (角川文庫)
藤色の記憶 (角川文庫) / 感想・レビュー
いつでも母さん
白兎…これ以上この少年のことを知ろうとしてはいけない。でも、知りたいよね。「手を引いてくれる人と魂をただ結びつけることは出来る」という白兎はこの先何処へ行くのだろう。切なくてちょっと温かなラストが良かったシリーズ2。原題『地に埋もれて』の方が好みではあったが色で繋げる次は『藍色の夜明け』行ってみます。
2021/01/05
ちょろこ
清々しい一冊。今回は恋人に地中に埋められた女性、優枝が謎の少年、白兎に助け出されるシーンからスタート。前作よりは弱めながらも今回も幻想的というか、あちらとこちら、曖昧な世界を味わえた。白兎の正体こそがその一番の要因なんだけれど。白兎のちょっと妖艶な一面も知ってしまい、ドキドキ感と共にますます目が離せない。そして優枝の心の傷、哀しみの過去、被害者が一転、加害者になる理不尽さには胸をうたれた。最後、まさかのそっちだったか!の二人藤のシーンは驚きと共にせつない。でも清々しい。白兎による優枝の心の浄化を感じた。
2021/02/18
タイ子
色シリーズ(?)第2弾。白兎は一体何者か?正体はほぼ推理できるものの、どこからきて、何を求めて、彷徨っているのか。恋人と心中するつもりが男の変心によって土中に埋められた女性、優枝。白兎によって助け出されたのち、男への復讐をそそのかされ迷う優枝。そんな時、音信不通だった弟から連絡があり実家に帰省することに。幼い時に家を出た母が入院中で余命僅かと知る。過去の出来事に心を縛られていた優枝が全てを知った時、憎むべき男の姿をも形作られていく。あー、そういう事なのか。サクサク読める不思議ワールド。
2021/01/29
★Masako★
★★★✰︎ シリーズ2作目。「目が覚めると土の中にいた」心中間際に恋人に裏切られ、地中に埋められた優枝。意識が無くなる寸前、不思議な少年・白兎に助けられる。煌々と光る月と埋薄紫と白色の藤が絡みついた大樹(二人藤)…冒頭からダークで幻想的な雰囲気だ。白兎に恋人への復讐をそそのかされ、とりあえず自分の部屋に戻った優枝。何かおかしい、私は生者か死者か?ハッキリしないまま話は進む。縁があって意味があって、白兎と優枝は出会ったんだな。前向きになった優枝にホッとする。まだまだ謎の多い白兎。次はどこに行くのだろう?
2021/04/16
坂城 弥生
葬儀場の仕事をしている優枝は、ぼんやりと『死』にとりつかれていて、進んで死にたいというより、生きていることに執着がない感じがした。淡々としているけど深い話だった。
2021/01/20
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