虜囚の犬
虜囚の犬 / 感想・レビュー
starbro
櫛木 理宇、3作目です。本書は、犬監禁虐待連鎖イヤミステリでした。超薄味のドッグフードは不味いんでしょうね。著者が新潟出身と知り、親近感が湧きました。 https://www.kadokawa.co.jp/topics/4577
2020/09/13
いつでも母さん
犬、犬、犬・・そんなに人間が偉いですか?って感じ。監禁の描写は反吐が出るし、掴みどころのないモンスター・志津の洗脳にも嫌気がさす。そう、これはどうにも救いようのない作品なのだ。なのに最後のページまで一字一句逃さず追ってしまう私がいた。この辺が櫛木さんに囚われているってことなのだろうな(汗)養子や婚姻などで名前が混乱してしまったが残念ながら再読する勇気はない。白石・和井田コンビで続編もあったら嬉しいな。
2020/07/27
utinopoti27
安ホテルで惨殺された男の家の地下室には、鎖で繋がれ痩せ細った女がいた・・。この猟奇的な事件を巡って、輻輳するシナリオがやがて一つに収斂する時、おぞましい結末が見えてくる。高い自尊心の裏に隠された低い自己肯定感。誰かに依存することでしか保たれない脆弱な精神構造。悪魔はそんな心の隙を見逃さず、気が付けば哀れな犠牲者は、どっぷりと甘美な毒に支配されているのだ。「僕は犬だ!」 あの衝撃作『チェインドッグ』から5年、読者の心を捉えて離さないサイコミステリが、極上の胸糞悪さを引っ提げて帰ってきた。恐るべし、櫛木理宇!
2020/08/28
みっちゃん
そっちか…思わず唸った。残忍極まりない監禁殺人事件、仕事を続けられなくなった元家裁調査官、居場所を無くして夜の街をさ迷う少年、頻発するキーワードは「犬」次から次へと増える登場人物、錯綜する過去と現在、作者に張り巡らされた仕掛けと伏線には大いに惑わされた。が、あくまでも個人的な思いではあるが、作者の新境地の力作「虎を追う」には及ばなかったか。が、何ともおぞましく悲惨な連鎖であることよ。
2020/12/01
ちょろこ
おぞましい一冊。櫛木さん、容赦なく描くなぁ。とある殺人事件を発端に浮かび上がる世にもおぞましい事件。キツい描写にこれは小説と言い聞かせ心も脳内映像もシャットダウン。この事件から炙り出されていく、一家の忌まわしい過去、犬という気になるキ-ワ-ドがとてつもなく心をざわつかせる。もつれ絡まる鎖のような人間関係、ついに明らかになる真実、真犯人、衝撃と共に頭を整理。支配、コントロール、その言葉が頭にこびりつき、おぞましい残虐な描写にミステリの仕掛け、驚きも霞むほど…。人を人とは思わない行いに言葉が出ない。
2020/08/15
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