ヘルドッグス 地獄の犬たち (角川文庫)
ヘルドッグス 地獄の犬たち (角川文庫) / 感想・レビュー
W-G
『煉獄の獅子たち』読了からの、文庫版での再読。『煉獄~』は文庫だとどういうタイトルになるのだろうか。初読時にも感じたように、ずいぶんあっさり潜入出来て、トントン拍子に出世するものだという違和感は強い。二作目を読んだ後に読み返した感想としては、勝一の出番これだけ?という拍子抜けと、兼高と勝一が顔を合わせた時の会話が、流れからいって不自然なのが気になる。それ以外は概ね、熱量の高い狂気に支配された、良質なノワールといえる。改めて読むと、室岡がすごく良く、兼高との対決シーンは夢中になった。
2020/11/20
ナルピーチ
強烈な印象を残した一冊。潜ったのは殺戮が日常的に行われている極道の世界。バレた時点で即死亡…地獄の狂犬どもが蠢く闇の世界を欺いて生き延びろ…。途切れる事のない緊張感に張り詰めながら一気読みできた。潜入捜査員として悪と対峙する側面の傍らでヤクザとして容赦のない暴力や拷問を振るい続ける心情の揺れる様を事細やかな心理描写として描く。読んで楽しめる類いの小説とは言えないが、単純な警察とヤクザの騙し合いとするのではなく、主人公の苦悩や葛藤を中心に見せる事で非現実的な世界がリアリティを 帯びているように感じた。
2024/10/20
ねりわさび
バイオレンス潜入小説。反社組織に潜りこんだ警官、その命を懸けた捜査では様々な事態が発生、状況は二転三転し、遂に引くことの出来ない地獄に堕ちていく、というあらすじの長編。描写はハードですが文章のリズムが良く読みやすい。たいへん面白かったですね。
2024/11/12
アッシュ姉
深町さん渾身の新境地!なかなかの分厚さでも集中力が途切れることなく、じっくり読まされた。潜入捜査官としてヤクザの世界へ入り込んだ主人公。いつ正体がバレるか分からない緊張感、任務達成への焦燥感、完遂後の己の身の振り方、一時も気の休まらない緊迫感にヒリヒリハラハラ。凄いわ、ヤバいわ(ヤバいのは私の語彙力と深町さんの筆力)。ヤクザのドンパチ通り越して、もはや戦闘。目玉から臓器からいろいろ出ちゃって文章では何とか追えたけど、映像でどこまでいけるか。結末が気になって仕方がなかったが、こうきたか!前日譚より続編希望!
2022/07/10
H!deking
映画化が決まったので読んでみました!ヤクザの潜入捜査モノですが土竜の歌とは180度違います(笑)登場人物が多くて入り込むまでに少し時間がかかりましたが、途中から怒涛の展開で面白かった~!岡田准一ピッタリ!映画も楽しみー!
2022/06/07
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