ヒストリア 下 (角川文庫)
ヒストリア 下 (角川文庫) / 感想・レビュー
Malos
移民先のボリビアにて、知花煉は、そこで得た数々の仲間と苦難を乗り越える。時には空賊になり、時には農夫になり。生きる中で担がされた陰謀を払いのけ、煉は自分の戦争と決着をつける。
2021/03/04
活字スキー
【一九六七年十月九日、政府軍はゲリラたち全員を射殺した。ボリビアで十月九日は何の記念日でもない。わたしは暗闇のなかで平和を祈り続けた。さようなら、愛しのエルネスト】南米の地を駆け回り飛び回り這い回り、疾風怒濤にして波乱万丈という言葉すら生ぬるい日々をひた走る知花煉。マブイを落とした側と落とされた側という、二人の煉が交わりそうで交わらないアクロバティックな設定をフルに活かしたトンデモ・ヒストリカル・エンタメの傑作。池上永一の島人魂は伊達じゃない!己のマブイを取り戻せ!
2020/10/23
アオヤマ君
現代史のメジャーな事件に関わる煉。物語だからね。登場人物は派手だよ。オートバイ走る、飛行機も飛ぶ。戦争、革命、移民、南米の自然。ヒストリア、語られない歴史か。複雑な問題が登場人物達と絡み合う。登場人物達がどこか明るいのが読んでいて楽しい。煉の「魂(マブイ)」は見つかるのか?読後は、寝苦しい夜に見た夢のような感じ。「私」と「わたし」のペースにハマると楽しめる。そして、最後の一文。
2020/10/28
みゃお
いったい何人分の人生を生きたの?と言いたくなるくらいのヒロイン。 やっと安寧をつかめるのかと、思った瞬間ひっくり返されて終わって!!!しまった。 思わずこれで終わり?!と、云ってしまった。 少し冷静になってから ああ、煉は、沖縄そのものなのね。と、納得してしまった。 池上氏の作品は、ジェットコースターなのですが、本作は帯に記されている通りでした。 「集大成にして新境地」 ハラハラして、笑って、怒って、ほろっときて。 読み応えのある作品でした。
2020/12/24
Satoshi
◎作者が沖縄出身ということで沖縄と米軍が大きなテーマとなっている。レンは若き日に沖縄で上陸戦を経験し、生き延びる。そこから、闇市の洋服、移民、開墾、空賊などすごい経験。チェゲバラも出てくるし、CICも出てくるし、ナチス残党も出てくるし、各南米の大統領も出てきてどでかい話。最後は基地とレンのルーツがクローズアップされて余韻の残る終わりかた。
2021/07/01
感想・レビューをもっと見る