平成ストライク (角川文庫)
平成ストライク (角川文庫) / 感想・レビュー
麦ちゃんの下僕
「平成」に起きた出来事や世情を題材にしたミステリーを、「平成」にデビューした9名の作家が書き下ろした意欲的なアンソロジー。まず冒頭の青崎さんから凄い!福知山線脱線事故をまさかそこに繋げてくるとは!?ネットの炎上をテーマにした井上さん&貫井さんのは、実に好対照。二分の一成人式に虐待を絡めた千澤さんのは、本当に胸が苦しくなります(泣) 実は初読みの白井さんは…エロ・グロ・バカ(!?)三拍子揃った怪作(笑)(←これでも単行本よりマイルド!?) 乾さん&天祢さんのは、ほろ苦い中にもポジティブさがあって救われます。
2021/03/31
スエ
「平成」。長かったような短かったような30年。様々な災害や事件、ニュースがあった30年。「バイトテロ」「消費税増税」「ネット冤罪」など、9人の作家による平成アンソロジー。平成元年生まれのワタクシには感慨深い一冊でしたね。(嘘っぱち)特に、乾くるみ「消費税狂騒曲」にハマりました。3%、5%、8%。上がってゆくのは税金と血圧ばかりとな……。ふぅ〜。
2021/01/17
のんちゃん
平成に起きた事件や話題となった事象を9人のミステリ作家が綴るアンソロジー。福知山線脱線事故、新興宗教、消費税増税、ネット絡みの事件等を扱っている。が、どの作品もかっちりとしたミステリではないので、そこを期待される方には合わないかもしれない。好みの作品は青崎有吾氏と乾くるみ氏。いつも頭を使って読む乾作品だが、今回はすんなり納得。巻末に平成の簡単年表が載っているが本当に災害と事件の多発した時代だったと思う。私にとっても平成は祖母と母を野辺送りし、子育てに邁進した激動の時代だったと年表を読み感慨深かった。
2023/04/11
ベローチェのひととき
妻から廻ってきた本。平成に起きた事件や出来事を題材とした9人の作家による9編のアンソロジー。福知山線脱線事故、消費税増税、ネット冤罪、東日本大震災などがテーマとなっている。青崎有吾さんの「加速してゆく」のみ既読で後は初読みだった。それぞれに味が出ていて楽しめました。個人的には貫井徳郎さんの「他人の不幸は蜜の味」が印象に残りました。SNSの世界ではいつ自分が被害者になるかわからない。気をつけようと思います。
2023/05/10
おうつき
福知山線脱線事故、SNS炎上、東日本大震災など、平成に起きた事件やムーブメントを題材にしたミステリーアンソロジー。エンタメとして消費するには苦しい題材も、作家陣が真摯に向き合って描いた事が伝わってきた。青崎有吾が福知山線脱線事故を描いた「加速していく」、貫井徳郎がネット冤罪を描いた「他人の不幸は蜜の味」が特に良かった。 新型コロナウイルスによって人々の暮らしががらりと変わってしまった令和という時代はこれからどうなっていくのか。
2020/11/23
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