角の生えた帽子 (角川ホラー文庫)
角の生えた帽子 (角川ホラー文庫) / 感想・レビュー
H!deking
宇佐美さんの短編集第2弾!今回もめちゃくちゃ面白かったー!!全部面白かったけど最後の話特に好きでした。ぞわっとするけど止まらないです。これは癖になりますね。
2021/02/28
アッシュ姉
これまた面白かった。デビュー作『るんびにの子供』も良かったが、さらに進化を遂げた印象。ぞくぞく怖くてワクワク、あっと驚く展開にハッとする結末、じわじわとどこまでも余韻が追いかけてくる。各編毎に異なる味わいがあとを引き、クセになるウマさ。好みだったのは「空の旅」と「左利きの鬼」。マイベストはああ面白かったと締めくくれた「湿原の女神」。文庫化にあたり書き下ろし含む三編がプラスされているので、単行本で読んだ方にも是非オススメしたい。
2021/05/25
スエ
悪夢、過去、怨念、執着、トラウマ。などなど、様々なワードが飛び交う異空間を彷徨うような短編集っ!!
2020/12/31
sin
往々にして日本人男性には家父長制の名残か女性を蔑ろにする傾向があるが、最近は大人になれない男が増えたせいか家庭における居場所を無くし、妻に蔑ろにされる夫も増えてきたように思える。そんな現代社会の歪さを下敷きに殺意、復讐、悪意、執念、執着、男の身勝手、トラウマ、逃避、依存、女の身勝手、欺瞞を描く…各々のストーリーは凡庸さを感じさせるほどに完成されていて、これは厭な人間味の標本箱に思える。
2022/07/11
HANA
恐怖小説短編集。超自然現象もあるのだが、大本の根源となっているのは人の心。結局はそれに囚われ、それを元に地獄が顕現し、どこにも逃げ場がない話ばかりであった。逃げ場が無い代表的なものが「空の旅」や「花うつけ」だと思うが、それらが主観的な怖さだとすると客観的で本当に怖いのが「赤い薊」。結局あるものを隔てても逃げられない。一方で「城山界隈奇譚」や「湿原の女神」等、一種の爽やかさを持った作品もあり、この辺は著者の守備範囲の広さを物語っているなあ。個人的にお気に入りなのは「夏休みのケイカク」。この後味の悪さはいい。
2022/07/09
感想・レビューをもっと見る