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ふたりみち (角川文庫)

ふたりみち (角川文庫)

ふたりみち (角川文庫)

作家
山本幸久
出版社
KADOKAWA
発売日
2020-11-21
ISBN
9784041097748
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ふたりみち (角川文庫) / 感想・レビュー

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真理そら

函館五稜郭の近くでカラオケスナック「野ばら」のママをしている野原ゆかりは若いころムード歌謡の歌手だった(ヒット曲は一曲しかないが)。お金が必要な事情があってかつての知り合いのツテを辿って一度限りの復活全国ツアーをすることにした。船の中で出会った12歳の森川縁という少女と一緒にドタバタツアーをする羽目に…。青森、宮城、石川、鳥取、東京を巡る二人の旅の様子も楽しいが、合間に語られるゆかりさんのこれまでの人生もしみじみとしていて、読後「いい本を読んだなあ」という満足感に浸った。

2023/10/01

エドワード

函館でバーを営む野原ゆかりは元歌手。詐欺で失った金を取り戻すべく、コンサートツアーに出る。昭和45年に唯一のヒット曲「無愛想ブルース」を出した67歳、ミラクル・ローズのドサ回りの営業旅だ。彼女の前に現れる、12歳の家出娘・野川縁。お互いを助けた縁で二人が共に旅をするロードノベル。全編に満ち溢れる流行歌への愛がいい。年齢を越えた二人の絆がいい。A面B面・カセットテープ世代のゆかりが、縁の影響を受けてSNSに馴染んでいく過程も実に自然だ。「運命に逆らうのよ!」いい言葉だ。ゆかりの「愛の讃歌」を是非聴きたいね。

2021/05/25

Gonzou82

ただ単にエンターテナーとして面白かった。最初はちょっとよくわからず、どんな話になるのか心配だったが、だんだん引き込まれていった。書き下ろしにはコロナが出てきて、最近の本なんだなぁという気がした。今の時代に、歌謡曲ですか?という感じでしたが、どたばた笑いあり泣きありのどたばた劇でした。楽しんで読めて良かったと思える作品です。

2021/05/21

こうやん

函館でスナックを営むゆかりが、久しぶりに歌手の公演に出る。行き先は、青森、東北の港町(塩釜辺り?)、石川県の温泉街、鳥取の温泉地、そして東久留米。行く先々で人との出会いがあり、ドラマが生まれる。道連れは、12歳の縁(ゆかり)、出会いはフェリーの中。乗り物は他に飛行機、新幹線などなど。ゆかりの縁を見る目が、暖かい。ゆかりにもかつては・・・。文庫版巻末の、後編もいい。それにこの表紙、ウォークマン(カセットテープ)。昭和の雰囲気が漂う素敵な作品。

2021/08/15

kotetsupatapata

星★★★★★ 単行本は既読していますが、文庫本が発売されたので再読 途中若干間延びしてくる所はありますが、さすがは山本作品 最後の30ページくらいから一気に物語に引き込まされ、最後は温かい寂寥感に包まれます。書き下ろしの短編では、その後二人が友情とドサ回りを続けながらも、コロナのせいで中止になった経緯も描いていました。 感想は255字では収まりきれませんのでとにかく読んでもらいたい本です。 この本に出会えて小生も幸せです。

2020/12/21

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