長く高い壁 The Great Wall (角川文庫)
長く高い壁 The Great Wall (角川文庫) / 感想・レビュー
ゆみねこ
従軍作家として北京に派遣されていた小柳逸馬は突然の要請で前線へ向かう。万里の長城・張飛嶺で起きた分隊10名全員死亡、戦死ではない不可解な事件の真実とは?
2021/04/06
yamatoshiuruhashi
久々の浅田次郎。彼には珍しく推理小説である。支那に駐屯する1、000人の独立歩兵大隊が新作戦のために移動。匪賊対策のために残されたのは僅か30名、そのうち1個分隊、10名が殺される。果たして共匪による犯罪なのか。時代背景や軍編成の要点もきちんと押さえられており流石の浅田次郎。テーマも書き込まれている。面白い。が、この結末になるのであれば、そもそも、共匪の仕業ではないという主張をした小田島憲兵曹長は何だったのか。それだけが消化不良である。
2021/04/14
となりのトウシロウ
出戦不堪者で構成される張飛嶺守備分隊10名全員死亡した事件をめぐる戦争ミステリー。従軍作家として北京にいた推理小説家の小柳逸馬が軍の命により真相究明にあたる。別の分隊や地元民からの聞き取り調査で話が進む。見た目通りの人はいない。誰が嘘をついているのかといったミステリーの要素と、日本にとっての「日中戦争とは何なのか」がテーマになっている本書。庶民の豊かな食生活を見て、軍閥の支配から支那国民を解放する聖戦ではなく単に豊かな国を簒奪しようとしているのではないかという下りが印象的。ただやや面白さに欠ける。
2021/05/07
鍵ちゃん
1938年、従軍作家として北京に派遣されていた小柳逸馬は、突然の要請で前線に向う。検閲班長・川津中尉と赴いた先は、万里の長城・張飛嶺。そこでは分隊10名が全員死亡、戦死ではないらしいという不可解な事件が起きていた。千人の大隊に見捨てられ、だった30人残された「ろくでなし亅の小隊に何が起きたのか。赤紙一枚で大義なき戦争に駆り出された理不尽のなか、兵隊たちが探した戦争の真実を解き明かす。う〜ん、なかなか自分の読解力無さすぎて最後まで分かりにくい話でした。面白い所もあったが、読むのに苦労したな。
2021/11/01
Shoji
感情移入することなく淡々と読み進めた。中盤からは活字を追っているだけのような感じ。それでも、最後まで読ませる筆力はさすが。辛口御免。
2021/03/05
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