ばくうどの悪夢
ばくうどの悪夢 / 感想・レビュー
starbro
澤村 伊智は、ほとんどの作品を読んでいる作家です。比嘉姉妹シリーズ最新作、最初のスタートからかなり怖いホラーを期待しましたが、竜頭蛇尾でした。 しかし小説の中とは言え、妊婦や胎児を惨殺してはイケマセン。 https://www.kadokawa.co.jp/product/322005000376/
2022/11/22
のぶ
澤村さんは本作を「エルム街の悪夢」のオマージュとして書いたとの事だが、自分は映画を観ておらず、どう影響していたか確かめてみたかった。物語は前半、悪夢に悩まされていた「僕」はそれが僕だけでなく、父親の友人の子供たちもみな現実に干渉する悪夢に苦しめられていて、やがて、そのうちひとりが謎の死を遂げる。そして今度は不気味な黒ずくめの女に襲われる悪夢を見るようになる。このあたりまでは興味を持ち面白く読み進んでいたのだが、後半理解しづらい描写が続き、あまり楽しめなくなった。夢を文章にするのは難しいと感じた。
2022/11/29
KAZOO
比嘉姉妹シリーズの長編とはいうもののあまり出てこない感じです。少年の見る夢がおどろおどろしいというか確かに私も見た映画の「エルム街の悪夢」を思い出しました。悪夢映画の傑作です。この本では前半と後半に分かれていて最初に横溝正史の作品の様な殺害の場面(津山殺し)が出てきて、後半は日本書紀のような話(イザナギ、イザナミ)も出てきます。澤村さんの新しい境地という気がしました。
2023/05/04
yukaring
「眠ればあなたは死ぬ」夢と現実の境界線が揺らぎ、ジワジワと侵食してくる悪夢。夢の中で"アレ"に捕まってしまったその時は・・想像するだけで背筋が凍る。東京から引っ越してきてから悪夢に悩まされる「僕」やその同級生。そのうちの1人が謎の死をとげたのは悪夢に関係があるのか?まずスプラッタ的展開で幕を開ける序章と『ばくうど』の謎に恐怖する第一部、そして衝撃の第二部と構成も絶妙でシリーズ中で一番面白い。比嘉姉妹や野崎さんも事件解決に奔走するが得体の知れない闇に今回は苦戦。眠ることがトラウマになりそうな1冊だった。
2022/12/15
しんたろー
昔『世にも奇妙な物語』を創っている時に先輩から「夢オチだけはやるな!小学生でも考えられることをプロがやったら恥だぞ!」と言われ教訓にしていたので、前半は懐疑的だったが、流石の澤村さん!幾重にも夢を重ねて、読み手さえも夢の中へ誘うような内容…悪夢の連続から哀しい夢まで織り込んで「今は何処にいるんだ?」と戸惑わされ、Cノーラン監督の傑作『インセプション』のようでもあった。グロ度が高めなので苦手な人には薦めないが、伏線の回収も含め構成が巧みで、著者がリスペクトしている?『エルム街の悪夢』を超えたかも知れない。
2023/03/28
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