ヘルメースの審判
ヘルメースの審判 / 感想・レビュー
W-G
原発や学閥、企業の粉飾等々、どれか一つでも小説一本のテーマになり得る題材をまとめて煮込んで、グローバリズムの中での日本独自の愛国心/愛社精神に希望を提示。この著者のエッセンスが非常に濃くでている一冊。しかし、魅力的な題材をふんだんに盛り込んだ反動として、個々の掘り下げが浅く、散漫な印象になってしまってもいる。そこそこボリュームがあるにも関わらず、展開がシンプルで、エピソードそれぞれに深みがなく、読後に残る強烈なものというのがない。もっと長くして分冊するか、テーマを絞るべきだったのでは。
2021/02/05
Yunemo
社会、企業等に係るいろんな要素がふんだんに盛り込まれてます。まさに著者の独壇場的な物語と言っていいのでしょうね。現実に起こった企業崩壊を中心に、前半は確かにある意味、ノンフィクション的手法で具体性があり。でもね、著者作としては残念だな、との想いにかられたのも事実。企業内の権力闘争がもたらした企業崩壊。その道筋が語られるところまでは納得感があって読み進め。如何せん、ある所から夢物語的手法に替わってしまったのでは、と一人想いに。時代にそぐわなくなった旧弊を改めなければ、生き残れない、これを主眼として最後まで。
2021/02/11
達ちゃん
長かったけど何とか読み終わりました。しかし、日本の将来、大丈夫かな?
2021/07/31
Ayako
おそらく東芝がモデルであろう経済小説で、これからの日本企業のあり方を考えさせられる一冊だった。政官財の癒着、粉飾決算、学閥といった大企業に纏わる問題が全て網羅されているのでは無いかという程、盛り沢山の内容だった。これらの困難に立ち向かう主人公の賢太がエリート過ぎるためか、あまり人となりが想像できず、感情移入はしづらかった。何のために働くのか。単に惰性で日々の仕事を行うのではなく、目的意識を持つようにしたいと思った。
2021/03/06
海の仙人
大企業の旧態依然とした経営体質に一人の男が立ち向かう。政官財を巻き込む一大プロジェクトが破綻しそうになったとき、創業家の一員となった賢太は起死回生の一矢を報いる。
2021/06/03
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