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日本の文脈

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作家
内田樹
中沢新一
出版社
角川書店(角川グループパブリッシング)
発売日
2012-01-31
ISBN
9784041100783
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日本の文脈 / 感想・レビュー

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Tui

不定期に、書かれた時系列にこだわらず、時々読んでいるウチダ本。今回は中沢新一氏との対談です。思考のテンポや好みがとても合うのか、とても和やかな「おばさんトーク」(おばさん化したいい歳の男二人が余計なお世話をぺちゃくちゃ喋ること、の意だそう)が繰り広げられています。相変わらずやや乱暴な論理展開も楽しい。ウチダ本の常で、今回も思考のエッセンスをおすそ分けしてもらう気分で読みました。この本から特に分けてもらったのは、日本における原子力と原発の捉え方です。要は、そもそも扱える器に日本がないって事です。

2017/06/12

Gatsby

中沢氏と内田先生の対談は、実際に会場で聴いたことがある。内田先生の対談は、ややもすると内田先生の圧倒的なパワーに引き込まれて、相手の方のカラーが出にくいことがあるように思うが、中沢氏との対談は、さすが中沢氏だけあって、いい勝負をしているという感じがする。内田先生に染められすぎてもいないし、かと言って話がかみ合わぬわけでもない。特に、二人の宗教やユダヤ人に対する知識とその専門的研究から得られた考察は、興味深く読むことができた。ユダヤ人ノーベル賞受賞者が多い理由についての話も納得のいくものであった。

2012/03/07

ほじゅどー

★★★★本来、生態系に依存しない原子力は「神の火」であり、原子技術はいわば「荒ぶる神」をどう祀るかという問題で「神霊的」な捉え方。だから欧米での原発は神殿を模して作られており「一神教」の宗教意識が成り立っている。一方で日本はどうか?「神の火」でなく「アメリカの火」であり、「荒ぶる神」でなく「カネになる木」とねじくれた捉え方をした。原子力がカネ儲けの道具ならばコントロール可能であると勘違いし、恐怖心が抑制された。原発の設備をあれだけ粗雑に作ったのは原子力に対する恐怖心をごまかそうとしたからである。

2017/06/19

浅香山三郎

内田樹さんの本も何冊か積ん読があり、本書もその一冊。二人とも似たやうな部分で仕事をされてきたこともあり、「男のおばさん」のトークは協調的に盛り上がる。『日本辺境論』や『緑の資本論』の周辺について、さらにはレヴィ=ストロースについて、ユダヤ人的な発想について、話が及ぶ。両者ともずつと同じことを主張されてきたと思ふが、それが対談といふカタチでおおいに響き合つてゐるのがよい。

2020/04/15

かりあ

すごーーーく面白かった。付箋だらけ。レヴィ=ストロース読まなきゃと思った。時々、並行読みしてた『県民性』という本とつながるところがあって興奮した。まだまだ世の中知らないことも、知らねばならんことも山ほどある。そもそもいまのこの西洋からきた社会システムと、日本の国民性というか気質みたいなものが根本的に合ってないってことがよーーくわかった。日本に合うシステムを見つけなきゃいけないだろうとは思うけど、多分どん底まで落ちて全部崩れない限り変わりはしないだろうなという諦めが強いけどそれは悲観的?(笑)

2015/06/18

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