永遠の曠野 芙蓉千里III
永遠の曠野 芙蓉千里III / 感想・レビュー
あつひめ
1巻では小さな少女が、この本を閉じる時には40代となり母となった。分厚い全3巻に時代の荒波に流されたり時には向かって行ったあの勇敢で儚い女の人生がしっかり詰まっていた。3巻目は、ほとんどが血なまぐさい生きるか死ぬか、そしてひたすら曠野を駆け巡る場面がしめている。その中でも瞬く光がある。人生には巡り合いと言うものがありそうだ。人生に遠回りしたようでもいつかちゃんと辿りつく場所がある。そこには、心休まる場所も人もある。自分にもそんな巡り合いがあるような気がして最後のページを閉じた。芙蓉らしい人生だったと思う。
2013/03/14
ゆみねこ
スケールの大きな物語、三部作を日を空けずに読めて良かったです。登場人物の言葉遣いが今風すぎてそこはやや違和感が残ったけれど、ストーリーとしては一途なフミが魅力的で引き込まれました。明治から大正そして昭和の初め、大陸では中国・露西亜・モンゴル、そして日本が入り乱れ、馬賊やら革命軍、頭の中が混乱しながらもなんとか読了。
2016/09/29
藤月はな(灯れ松明の火)
旅芸人から芸妓、芸妓から馬賊、少女から女、女から母となった芙蓉ことフミの激動の人生。血に染まった川、人を喰わなければ治まらなかった餓え、暴走し、猛威を振るう赤軍とモンゴル独立運動、日本の大陸への介入など現在の日本にも影響していることが起こった時代。視点がいきなり、変わり過ぎなのは難点だけど馬と人との絆や一生に一度の恋、責任と国や民族にしがみ付くのはなぜかということを綺麗ごともなく描き切っている。結構、ある意味、狡かった健明よりも自分の責務を果たすいい男になった黒谷さんに「いい男」の軍配が挙がりました(笑)
2012/12/06
マムみかん(*感想記入少なめです*)
ガールズ大河小説の完結編。 12歳で大志を抱いて大陸に渡り、女郎屋の下働きから舞姫へ。 その名声を捨て、初恋の人を追って馬賊に…。 誰かの夢であるよりも、自らの夢や幸せを掴み取ろうと前進を続けるフミの姿に憧れ、励まされました! 結末は、ちょっと私の想像とは違う方向へ行きましたが…終章を読むと、あれで良かったんだと納得。 ところで、建明と炎林の関係に『FLESH&BLOOD』のジェフリー&ナイジェルが被ってしょうがなかったです(笑)
2012/09/13
赤とんぼ
午年はじめに読むのにふさわしい、荒野を駆け抜ける疾走感にあふれた一冊でした。モンゴルの歴史にはまったく疎かったので、そのあたりもなかなか楽しました(*^^)v二転三転する人生を、それでも柔軟に受け止めて生きてゆく主人公の生きる力の輝きに圧倒されたシリーズでした。ネタバレですが、ラストは驚きつつも、なんとなく納得。たぶん、こんな幸せが彼女には一番だったと思われました。
2014/01/05
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