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アウンサンスーチー 変化するビルマの現状と課題 (oneテーマ21)

アウンサンスーチー 変化するビルマの現状と課題 (oneテーマ21)

アウンサンスーチー 変化するビルマの現状と課題 (oneテーマ21)

作家
田辺 寿夫
根本敬
出版社
角川書店(角川グループパブリッシング)
発売日
2012-06-09
ISBN
9784041102619
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アウンサンスーチー 変化するビルマの現状と課題 (oneテーマ21) / 感想・レビュー

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Kentaro

広島と長崎への原爆投下をどう評価するかをめぐる議論において、アウンサンスーチーの思想に含まれる普遍性がこのテーマにおいて鮮明に見えてくる。1945年8月6日と9日の広島・長崎への原爆投下は、日本では核兵器の使用による悲惨な死と苦しみを招いた悲劇だ。一方で、原爆投下は結果的に日本のポツダム宣言受諾を早め、投下しなかった場合の日米双方の人的損害予測と比べ犠牲者数が少なくて済んだのだから、正しい決断であったという見方も存在する。正しい目的と正しい手段が一致しないものは正しいとは言えない分かりやすい事例だ。

2019/11/21

Miyoshi Hirotaka

明治維新から日露戦争までは約40年。わが国は、欧米が数世紀を要した国造りを極めて短期間で終えた。大東亜戦争で宗主国が一掃され、アジア各国は独立の機会を得た。70年という時間軸をどう評価するかは各国の価値観、共産主義でも、軍国主義でも、人治主義でも、適していれば外から文句を言う筋合いではない。但し、国家機構といえども私されるとリーダーの寿命とともに滅びる。民主化支援はこの歴史的経験を踏まえているはずだが、既得権擁護や権力闘争などという予期せぬ結果を生む。問われているのは、自らを助ける力、国民の質なのだ。

2015/07/28

ぐうぐう

アウンサンスーチー率いる政党NLDが選挙で圧勝してもなお、軍政が終わらないビルマの政情に疑問を感じて読み始めたのだが、その理由が、スーチーの思想そのものにあったことを知らされ、大いに驚いた。長期間の理不尽な軟禁を含め、あれほど軍部の強権を身をもって晒されてきた彼女が、表舞台に復帰し、多くの国民の後押しがあってなお、軍部との対話を重要視し、軍部に歩み寄ろうとすらする姿勢を持っているのだ。それは、目には目を歯には歯をでは、何も解決しないという彼女の心情を映している。(つづく)

2012/08/19

トゥクトゥク

東南アジア最後のフロンティアなんて呼ばれてミャンマーはいよいよ世界の注目の的になってるけど、ちゃんとアウンサンスーチーさんの望んだ国になっているのかしら。。

2015/01/06

安国寺@灯れ松明の火

正しい目的は、それにふさわしい正しい手段を用いない限り達成できない。軍事政権下のビルマでは民主主義を実現することが正しい目的である以上、民主主義にふさわしい非暴力、対話を通じた和解こそが政治的に正しい手段である――第二章にまとめられたアウンサンスーチーの思想は、シンプルながら大いに考えさせられます。「言論の自由」とは「何を言っても許される」のではなく、「さまざまな言論のうち、どれがベターであるかについて検証する場が存在する」という「場への信認」である、という内田樹先生の言葉を思い出しました。(続く)

2012/10/09

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