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はだかんぼうたち

はだかんぼうたち

はだかんぼうたち

作家
江國香織
出版社
角川書店(角川グループパブリッシング)
発売日
2013-03-27
ISBN
9784041104101
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はだかんぼうたち / 感想・レビュー

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風眠

生きているような死んでいるような、そんな透明感のある淡い色合いの登場人物が多かった江國作品だったと思うのだけれど、この物語の登場人物たちは、ものすごく「生きている」感が強いと思う。色合いも原色に近い鮮やかな色、というイメージ。タイトル通りの「はだかんぼう」の心で相手に向かっていく、強さと生命力にあふれたにぎやかな物語だ。作中、何度も出てくるガールズトークという言葉、まさにそのガールズトーク的展開で、複雑な恋愛が絡んでくる。嫉妬や憎しみという感情であっても、穏やかな文章と雰囲気のせいか、読後感は悪くない。

2013/09/01

Mumiu

いろんな世代の男と女とあれこれと。母と娘、そりゃ自分を否定されたら否定し返しちゃう。鯖崎みたいな男も江國作品ではレギュラーで、昔風に"ギョーカイにいるモテ男"。不器用でそれゆえ突っ張ってる陽も、「わたしなんか」なんて自嘲気味の響子も、桃から見ればほっとけない存在なんだろう。恋人なはずの鯖崎が響子に惹かれていることに動揺しながらも、響子が恋人である鯖崎を桃から奪ったではなく、鯖崎が桃から響子を引き離してる?!と違った感情を抱いたときから、鯖崎と桃の関係も変わったようだ。桃は自由だ。たぶんHappyEnd。

2013/06/18

あつひめ

みんなが自分の心に正直に生きてる?嘘という衣を纏わずに?それぞれの立ち位置から見たら正当な言い分の行動なのかもしれないが…この物語を読んで気付いたのは、私はなんとも面白みのない一般的な考えの人間になったのだろうかと。人は、一役ではないというところかも。相手から見た役割で向かい合ったら、友情や恋心やいろんな感情が生まれるのかも。夫婦は夫婦目線。友達は友達目線、恋人は恋人目線。どこにも縛られない心の赴くままの付き合いは不安定さがときめかせるのかも。不思議な安心感とときめきを忘れた私はなんとも苦い読後。

2016/02/24

しょこら★

奔放な女たちと、飄々とした男たち。いくつになっても愛を求めて自由を求めて…さ迷う。鯖崎なんて、最低なはずなのに。恋人の友達と関係を持って、それを隠しもしない、どころか、実家にまで乗り込むなんて!だけど嫌いになれない不思議。すべてを認めて受け入れているようで、奥底はぜんぜん真逆で子どもみたいな桃。いい妻、いい母親であること、庭と芸術を愛するマダムを貫く由紀。驚いたのが思春期の未来、母親の響子。妙にリアルで、生活感溢れる…こんな女が江國さんの小説に?意外。美味しいものを食べて、愛するひとの隣にいきたくなった。

2014/02/18

Hideto-S@仮想書店 月舟書房

“群像劇”というとニュアンスが違ってしまうかもですけど、語り部がバトンを渡すようにコロコロコロコロ変わっていきます。タイトルの意味は「誰にも見せたくない心の内側をさらけ出しているから」だそうです。細かい描写や心の動きの表現は本当に上手だなあとため息が出るほど。ただ、女性たちがそれぞれ魅力的に描かれているのに対して、男性たちの生き方にあまり共感できませんでした。女性に比べ男が「心のままに生きる」ことを選択すると、責任を回避する方向に向かってしまうからでしょうか。鯖崎も山口も桃の父も好きになれません。

2014/08/14

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