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青い花

青い花

青い花

作家
辺見庸
出版社
角川書店
発売日
2013-06-01
ISBN
9784041104620
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青い花 / 感想・レビュー

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百太

????難解でぶっ飛んでる。初読み作家さんなので検索すると・・1944年生まれ 石巻市南浜町出身 第105回芥川賞(『自動起床装置』) 第16回中原中也賞(詩集『生首』) 第42回高見順賞(詩集『眼の海』)って・・。70才で、このセンスはスゴイ!!  でも、わがんねぇ~。

2015/02/19

ハチアカデミー

これはベケットだ。当て所なく彷徨する一人の男。時は不明、フクシマ以後、戦争の勃発した日本。崩壊する世界の中で、呪詛を吐きながらただ歩く男一人。抽象と具体の狭間。異化作用の本当の姿。青い花は存在しない。きょうこも、ポラノンも存在しない。すべては虚無だ。だから? それでも人は生きる。死ぬ。具体を内包する虚無。主体のないメディアに翻弄され、矯正される思考。それにあらがう思考。ただ歩く。思考をだだ漏れさせながら、現実と幽玄の狭間で、それでもそれが現実だと思いこむように自らを仕向け。言葉は現実、歴史、夢、その全て。

2013/08/03

やまはるか

戦争と震災で人の死体が転がっている線路に沿い、闇夜の中を公認の麻薬ポラノンを求めてひたすら歩いている。漢字をひらがなに置き換えて読みを滞らせる表現などは丸谷訳のユリシーズの手法に似、延々と地の文が続くのもやはユリシーズのどこかの章のスタイルが思い浮かぶ。(巻末に参考資料として挙がっている)B29の大群により東京が焼き尽くされている時に、たった一機で適切機敏に攻撃を反復し敵機8機を撃墜撃破した偉勲を称える司令官の布告を「ほとんどすてき」と言う。馬鹿と言うよりいい。共感というか辺見氏への親しみが湧く。

2020/10/05

kri

筋を探ろうとすると掬いとれない。水面下にある文字を覗きこむような難しさが読み始めにはあった。一人の男が震災と戦災に覆われた戦時下の東北?を歩き続ける。思いはとりとめなく広がり、様々なものから想像の刺激を受けつつ、過去を思い起こしたり現実を批判したり。次第に状況の風景に心が入り込み、文章の運びに歩調があってくると、隣で歩いているような気がして夢中になれる。有り得べき近未来の日本国。ポラノンで多幸感を植え付けられマスコミに操作されて、いいね、サムアップ!…こんな未来はひどすぎる!

2014/09/24

さんつきくん

歩いている。ポラノンを求めて、過去の女と過去の花を見つめて歩き続けている主人公。読み始めて、脈絡がないので正直「噛み砕きにくい小説」と思った。噛み砕くんじゃなくて、流れ作業のように読むんだとコツを掴むようになってから、めくるページの手が止まらない。ちょうど100P目に著者の出身地で東日本大震災の被災地石巻市のことが出てきた。その後の「鑑舎」が喋る石巻弁が登場。同郷の有名人 由利徹さんを出す辺りはさすが!その線路を歩き続けてたどり着いた先は?散文詩で読むのに疲れる。

2013/11/13

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