これからお祈りにいきます
これからお祈りにいきます / 感想・レビュー
おしゃべりメガネ
津村さんらしい?ユル〜くホワッとした作品でした。特にインパクトのある展開でもなく、目立つような登場人物もあまりいないのですが、不思議と先が気になり、頁をめくる手が止まらなくなります。表題作は'サイガサマ'というちょっとした神様を奉る不思議な風習の話で、特にどうということはないのですが、そのユルさがやっぱり津村さんワールドの真骨頂なんでしょうね。フツーの人々がフツーに生活している様子をどこかコミカルに綴る津村さん、やっぱり読んでて癒されます。ハッピーかどうかはともかく、不思議さがストレスなく読めました。
2018/02/24
抹茶モナカ
『祈り』がテーマの短編小説2篇収録。津村記久子さんの小説を読んでいると、RADIOHEADが聴きたくなって、BGMにしながら読んだ。不器用な青年が主人公なところに感化され、自分の若かった頃を思い出させられた。東日本大震災後の小説でもあり、祈りについての小説でもあり、少し打ちのめされた。西加奈子さんの『サラバ』に出て来る神様って、サイガサマのパクリなのだろうか。
2017/05/10
のんき
二つの祈りのお話しでした。わたしも、家族のこととか、友だちや好きな人のことを祈ってるかなあ。神さまとかいるかどうかはわからないし、叶うかどうかもわかりません。でも、やっぱり祈っちゃうな!それから、なんか久しぶりに地球の裏側の国のこと考えました。何語を話してるのか?日本と同じで、地震とか多いのかなあ?とか、世界は広いし、いろんな人が住んでるんだな、とか。南米に限らず、日本とは違う国の知り合いができたらいいなって思いました。
2018/06/17
R
形容しがたい現代小説で、様々な悩みについて書かれていたと思うんだが、基本設定にある町の祭について、まったくしっくり来ないのに、なんかそういう祭に自分も参加したことがあるような気分になって読み終えてしまいました。面白いんだが、納得とは違う、まったく踏み入れたことのない状況の物語なのに、どっか親近感めいたものを覚えて、神様に祈る、いや、そもそも神様の力や設定や定義が違うしといったところが、コミカルだけど、なんか信じたくなるような、実に不思議な読書となりました。
2018/04/16
なゆ
誰かのためを想って強く強く祈るとき、その祈りが届き願いが叶うことは、じつは意外にあるのかもしれない…そんな風に思わせてくれる。たとえ何かを失ったとしても人は祈り続けるし、たとえ地球の裏側に向けてでもひたすらに祈る。「サイガサマのウィッカーマン」サイガサマというどこか妙な神様を信じる町の人たちとそのお祭り、それを冷めた目で見る高校生シゲルの苛立ち。少々不思議なスパイスもありつつ。「バイアブランカの地層と少女」京都嵐山の学生ガイド作朗と、アルゼンチンの少女フアナのささやかな交流。どんだけ心配症なんだ、作朗。
2013/07/13
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