人外境ロマンス
人外境ロマンス / 感想・レビュー
ちょろこ
文庫タイトルは「つめたい転校生」の一冊。良かった。すごく癒された。6話の、人外さんとのちょっとしたミステリアスな出来事。もしかして…とドキドキはもちろん、思いもよらぬ鮮やかな展開にハッとしてgood、せつなさにキュンとしてgood。そこに絡む謎解き、この絶妙なさじ加減がまたgood。締めくくりもどれも綺麗なのがまた印象的。しみじみ、北山さんのこういうテイスト、好き。せつなさがたまらない「いとしいくねくね」、優しい想いにキュッときた「はかない薔薇」、可愛い未来を感じる「ちいさなピアニスト」がお気に入り。
2022/10/23
へくとぱすかる
ミステリではなく、ミステリーの方。だけどバラの話など、さすがに推理もあるし、北山さんらしい作品。全体的に漂うほんわかした雰囲気が好きです。こういうふうに軽く読めて、ハッピーになれる作品集もいいですね。ミステリでもホラーでもSFでもなく、……やはりミステリーと呼ぶべきでしょうか。最初の「かわいい狙撃手」を読んで、この本の傾向がわかった次第です。
2018/01/28
藤月はな(灯れ松明の火)
人間と人じゃないものの絆と恋を描いた短篇集。『かわいい狙撃手』は主人公の行動にドン引きしましたが他の作品は可愛かったです。ボーイ・ミーツ・ガールど真ん中な『つめたい転校生』、身勝手な主人公の無意識の殺意を叶えた、死を齎すが自分が齎した死を泣き悲しむ、優しい「くねくね」との別れがほろ苦い『いとしいくねくね』、死にも通じるのに花弁を落としながらも真実を述べる薔薇と警部に芽生えた感情にほっこりする『はかない薔薇』が好きです。
2013/12/01
ダイ@2019.11.2~一時休止
人と人外との恋愛小説?の短編集。作風が全然違う気がして戸惑うが、つめたい転校生が良かった。
2014/02/28
makersat
ヒトとヒトデナシの恋を描いた短篇集。ミステリライクではあるが、他の北山猛那作品ほどミステリ感はない。表題通りのロマンス作品として読むのがいいだろう。いずれの作品も未来への希望を感じ得るものであるが、『いとしいくねくね』のみ弱冠ながら物哀しい。とはいえ、その後迎えに行っただろうと妄想すれば、心安らかな読後感を得ることは可能だ。『いとしいくねくね』と似た印象だが、当該作品よりも個人的に心に響いたのは『つめたい転校生』だ。幼少期の想い出に対する切なさに加え、少々のミステリ要素、そしてロマンス。読後感もよかった。
2016/01/03
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