タイド (単行本)
タイド (単行本) / 感想・レビュー
おかむー
リングシリーズ最新作なのだけれど、もはや二次創作レベルの後付けこじつけだらけ。やはり初期三部作とその外伝まででやめておくべきだったね。『もっとがんばりましょう』。時系列としては『ループ』と『エス』の間に位置することになる本作だが、あらかじめルートの決まっているのが見え見えのゲームをプレイしているかのように、唐突で飛躍した推論や思いつきがそのまま物語の正解となってしまって読者としては置いてきぼり感がハンパない。シリーズを象徴する存在である貞子も余計な後付けばかりでその恨みも矮小化してしまってモヤモヤ。
2015/08/12
Our Homeisland
手に取るまでは「リング」シリーズとは知らなかったのですが、調べたところでは、シリーズの5作目ということです。4作目の「エス」を除き順番どおりに読んだことになります。初期の、このシリーズ以外のものでも面白い作品が多くて評価している作家ではありますが、今回のは、それほど楽しめたということでも無かったです。ストーリーがぎくしゃくと不自然というか分かりにくくて集中できませんでした。ただし、扱っているテーマはさすがに非常に良いと思いました。
2015/01/23
Gemi
かなり久しぶりの著者。最早懐かしい『リング』シリーズ、未だに続いているようだ。正しい順序としては『エス』ってのを先に読むべきだったのか。高山竜司、安藤、貞子、浅川、高野舞、懐かしい名前が出てくると旧友に会った気分になる。そして設定のせいか相変わらずややこしい。ただ少々辻褄合わせの後付け感が物語に見え隠れする。それでも引き込まれていたのは事実だが。大峯奧駈修行、辛そうだが興味深い。懐かしくて読めたのだが、全体的に靄のかかった印象。『リング』『らせん』『ループ』を未読だと楽しめないかな。まだ続編がありそう。
2013/11/23
たいぱぱ
「リング」シリーズの続編。時間軸的には前作「エス」の前と言う事になってます(読後分かったことだけど)。リング3部作(リング、らせん、ループ)の傑作ぶりを貶めているような作品かも。ファンだから読んでしまいますが、貞子と竜司の関係には「なんじゃそりゃ!」しか出てきません。リング3部作に出てきたような謎解きも、今作は意味がよくわからないものになってます。とにかく残念です。
2014/03/15
ぐうぐう
『リング』シリーズ最新作『タイド』は、時系列でいえば前作『エス』の前章にあたる。しかし、それ以上の意味合いを『タイド』は持っている。つまり、小説『リング』の解読である。鈴木光司はこれまで、『らせん』で『リング』を否定し、『ループ』で『らせん』を否定し、といった具合に、自らが作り上げた世界観を新作において覆してきた。『タイド』は、『リング』における貞子の呪いそのものを覆すのだ。小説『リング』内で記述された役小角の設定を拡大解釈し、死んだとされた貞子の弟の存在をクローズアップしていく。(つづく)
2013/10/29
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