光秀の定理 (単行本)
光秀の定理 (単行本) / 感想・レビュー
ウッディ
光秀を主人公にした歴史小説というよりは、愚息と新九郎という知と武の達人からみた光秀の人間像でした。4つの椀、そして3つの賽子の真理を核として、人間の知への欲求を描いており、合理性を求める点では同じだが、目的のために義理・人情を捨てた信長とできなかった光秀との違いなど、新解釈の戦国物語で面白かった。ただ、4つの椀の理論は、六角攻略の鍵となった4つの道の話と、状況や背景が違うような気がしました。大出世を遂げたが苦しそうな光秀と謙虚に気楽に生きた愚息と新九郎、どちらの生き方が幸せなのか考えされられる一冊でした。
2020/06/27
takaC
確率の話をどう活かしてくるのか興味を持ち続けながら読めた。でも妙経寺ルートがハズレの確率も25%もあったんだよね。六章はイマイチだった。
2016/02/07
あすなろ
垣根氏の新たな挑戦である本作は、確かに挑戦的な作品。だって、光秀が主役級で、本能寺の変が描かれないことがあるか。でも、作品として成立しているのである。最初は、どう展開さるか?垣根氏の筆もどうもという感があったが、それを完全に中盤から吹き飛ばすストーリー展開と筆。HPを見ると、これから歴史物に力入れるとのことで、期待。但し、理の椀の疑問は、信長が言う通り、頭蓋の裏が痒い気がした。僕の頭は固い(笑)。更に、ラストの関節的に光秀を語らせ、分析する手法に感じ入った。信長と光秀は、立ち位置がそもそも違うのである。
2014/10/30
れみ
浪人中の明智光秀が愚息という謎の坊主と貧乏侍の新九郎と偶然出会い、その後、信長のもとで出世していくまでの物語。今、この時代の描かれたドラマもいくつか見ているので、違った視点からも見ることができて興味深かったです。4つのお椀を使った博打の確率論のところは私にはちょっと難しく、なんとなく解ったくらいですが…(^^;
2014/07/23
大地
光秀に対する印象が変わる作品。武将として抜群に有能であり、誠実。頭がかたいという印象があったが、世渡りがうまくない不器用な男なんだなと思う。乱世の時代に、愚息・新九郎・光秀という3人の友情がとても良い。めっちゃ爽やかな読後感。歴史小説っぽくないので、歴史小説が苦手な方に是非読んで欲しい!!
2014/04/25
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