KADOKAWA Group

Facebook X(旧Twitter) LINE はてブ Instagram Pinterest

獄の棘 (単行本)

獄の棘 (単行本)

獄の棘 (単行本)

作家
大門剛明
出版社
KADOKAWA/角川書店
発売日
2014-02-28
ISBN
9784041107126
amazonで購入する

獄の棘 (単行本) / 感想・レビュー

powerd by 読書メーター

鉄之助

架空の弘前刑務所を舞台にした、連作短編集。「そんなアホな」と思う、突飛な設定も中にはあるが、最後まで一気に読んでしまった。「不良刑務官」(過酷な労働環境にあるので多少同情しますが、確かにいる!性格が歪んだ刑務官)こそ諸悪の根源、と刑務所改革に燃える東大出のキャリアと三代続くたたき上げ刑務官が、数々の事件の謎に挑む構成になっている。本当の「悪」は何か? その答えは、チョット単純すぎる感じはあるが、人間の裏にある光と影を鮮やかに描く、エンターテインメント小説として面白かった。

2023/08/21

🐾Yoko Omoto🐾

刑務所という閉ざされた空間を舞台に、新米刑務官視点で語られる様々な事件や人間模様。お仕事小説と謎解きミステリをブレンドした趣向の連作短編集だ。刑務官の縦社会、過剰な虐め、受刑者たちの厳しい現実、脱獄の企てや獄中結婚、獄中死、不祥事の隠蔽など、現実にどこまで有り得るのかは別にして、意外な真相に絡められた物語に興味は尽きず。受刑者の真の更正の有無や刑務官の在り方に対し、旧態依然の悪しき慣習がのさばる現状と、上司の掲げる改革路線の狭間で悩み、成長していく主人公の姿にも好感が持てた。各話の人情味ある解決もいい。

2017/02/05

takaC

弘前〜八戸って道路でも鉄路でも気軽に行き来するような距離じゃないような気がするけどそんなことはないのだろうか?とても気になった。

2015/12/14

おくちゃん🍎柳緑花紅

親子3代刑務官の新人武島良太の成長譚。飲酒運転死亡事故の裏にあった真実と心の救ったのは赤落ちなるギャンブルの首謀者、先輩刑務官の秋村/舎房に貼られた脱獄宣言。長く刑務所に居るための?見抜いたキャリアの名久井/プリズン·グルーピー、獄中結婚、利用する出所したての再犯/等々、鉄条網で覆われた刑務所内部では様々な事件が起こっている。名久井の最後の仕事は、1番問題のある刑務官を粛清すること。その裏に名久井の過去。[幸せの天秤][獄の棘]が良かった。秋村と名久井の対比も、見事に描かれ、成長してゆく良太の今後もみたい

2022/10/04

モルク

弘前刑務所に勤務する新米刑務官武島を主人公とする連作短編集。上層部以外殆ど異動のない職場で、受刑者に対する非人道的な扱いそして未決囚の裁判に関する賭け事など、刑務所内で日常的に行われていた悪しき慣習を改めようとする若きキャリア統括の指示で同僚に対しスパイ擬きを行う武島。自分を指導してくれた先輩たちを裏切る思いと、上司の指示を断れない葛藤。しかしミステリーまがいのトラブルの内情を知るにつれ、刑務官たちの印象が変わってくる。情深い彼らの本質を知り、救われた気持ちになった。

2019/09/19

感想・レビューをもっと見る