Burn.‐バーン‐ (単行本)
Burn.‐バーン‐ (単行本) / 感想・レビュー
風眠
加藤シゲアキ、凄いな。アイドルやりながらこんな凄い小説も書いて。何が凄いって、ほんの少し出てきた脇役のような登場人物でも、あとから重要な役割で再登場するとか、伏線の張り方が緻密で読者を驚かせる筆力が凄い。どんな脇役にも意味があるという考え方は、芸能人だからこそ、その重要性を分かっているのだと思う。ラスト近く「お前も魂、燃やせよ」の下りで不覚にも涙してしまった。天才子役とホームレスとドラッグクイーンが出会って、物語はドラマチックに展開していく。子役を辞めて大人になり脚本家になったレイジ。Burnの幕が開く。
2014/10/14
タックン
連作短編形式に区切って章立てしてあったので読みやすかったけど過去と現在が混在してて最後まで何が言いたいのかわかりずらかった。でも最後の章の(Burn)を読んで題名の意味がわかって思わず上手いって納得しちゃった。混在してた物語や人間関係を上手く回収してるなあ。加藤くんなかなかやるなあ。人の縁の不思議さを感じられる小説でした。お勧め。
2014/05/12
紫 綺
天才子役レイジとスーパーホームレス徳さん、歌唱力抜群のオカマローズの人生コラボストーリー。前2作のハードボイルドっぽさとはまるで異なる作風に戸惑うが、すぐに引き込まれる。もう無条件にこころが沸き立つ!!アイドルとは思えない筆力に脱帽!!オススメ!!
2015/02/19
優希
現在と過去を行き来しながら輝く魂の物語のように思えました。人気子役時代と脚本家としての立場になったレイジの20年間が周りの人たちと共に交錯していくのに引き込まれました。人気子役ながらも孤独を抱えて冷めていた少年時代。父親として愛情深くなった青年。その背景には渋谷という街があり、描かれないロンドンでの20年があるように思えます。過去に戻りながら静かに燃えていく魂、そして舞台の開幕。そのベルの音が全てとの別れのように感じられてなりませんでした。そして同時に輝く未来へのスタート音とも。
2016/01/15
ひめありす@灯れ松明の火
朝帰りの、強烈に白い太陽光の中で読む、ちょっとした背徳感がぴったりの本。ずっとBurnじゃなくてBornだと思い読んでいました。死と再生の物語だと思います。この方の書く文章は、奇妙に現実感のないカキワリみたいな文章だなあ、っと思っていたのですが今回は少しウェットな汚さも感じられました。でも、もう少し徳さんやローズがどうしてレイジに構うのか、望美は何故レイジを探し当てられたのか。何故彼は書く道を選んだのか。それが読みたかったです。レイジと同じ様にいっそ脚本とかお書きになったら面白いのじゃないかと思いました。
2014/09/27
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