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ひきなみ

ひきなみ

ひきなみ

作家
千早茜
出版社
KADOKAWA
発売日
2021-04-30
ISBN
9784041108550
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ひきなみ / 感想・レビュー

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starbro

千早 茜は、新作中心に読んでいる作家です。今回は、フィーチャリング桜木紫乃といった感じ、生きづらい二人の少女(女性)の友情物語でした。今でもこんなハラスメント部長は存在しているのでしょうか? https://www.kadokawa.co.jp/topics/5781

2021/06/02

さてさて

『こちら側とあちら側。仕切りも壁もないのに、見えない線で隔てられて』いるという現実に苦しむ葉。そんな葉が二十年の時を経た真以との再会を通じて一つの答えを見出していく様を見るこの作品。「ひきなみ」という書名に『波のようにすぐに消えてしまっても残っている跡がいっぱい続けばいいというささやかな希望を託し』たとおっしゃる千早さんの思いを強く感じるこの作品。島の暮らしを見事に映し取った〈第一部 海〉の印象的な描写と千早さんらしい細やかな内面描写の数々に思わず時を忘れて読み耽ってしまった素晴らしい作品だと思いました。

2022/04/30

ウッディ

家庭の事情で祖父母のいる瀬戸内の島にやってきた葉は、フェリーで真以と出会う。出生の事で後ろ指をさされながらも孤高を貫く真以に憧れ、友達になる。ある日、真以は脱獄犯の男と姿を消すが・・。本人たちの意思に関わらず、事件の真相を都合よく解釈しようとする人々やマスコミの存在は、「流浪の月」を彷彿とさせた。自分を残して消えた真以を探し続けて成長した葉、そして再会した二人の間に流れたものは、閉鎖的な島の人間関係、ハラスメントを行う上司など、女性を下に見る嫌な現実社会にも負けない力強く、温かいものだったような気がする。

2021/07/28

ムーミン

「真っ直ぐにその人を見る」のは難しいことなんだろうか。自分とその人との関係性だけの中で、その人を判断することはそこまで難しいことなのだろうか。その人にくっついた様々な情報、人からの評価。自分の心が感じているその人と、他者のフィルターを通して聞こえてくるその人の違いになんとも言えず嫌なものを感じてしまう瞬間が、何度も蘇りました。

2021/12/11

いつでも母さん

子供の頃「大人の話に口出さないの。」と言われた。学生の頃は親に絶対服従で勤めてからは「女のくせに」と。私はずっと私なのに。そんなことをフッと思い出した。千早さんの新作は島で出会う幼少期を描いた海の章と、大人になって東京で再会する陸の章から成る『生きづらさ』『友情』『生き方』が描かれていた。どこを切り取っても彼方側とこちらがあってそれは平行線で決して交らない。声に出して言わないだけでこれは現実。だから苦しいし苛立つのだ。この先が明るく開けるとは限らない。このラストをどう捉えよう…

2021/06/03

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