ゴーストタウン 冥界のホームズ (角川文庫)
ゴーストタウン 冥界のホームズ (角川文庫) / 感想・レビュー
ナルピーチ
最近流行っている異世界転生をホームズがしたらどんな作品になるのか?!髑髏となったホームズと、犬になったワトスンの新たな物語。ゴーストタウンとなっているベイカー街で事件を解決していく二人だが、その前に異形な姿となった宿敵モリアーティが立ちはだかる。謎解きと言うよりはアドベンチャーよりの作風、読んでて映像向きな感じがしていたが、あとがきにしっかりアニメ向けのシナリオを小説にしたとの記載あり。サクッと読むのに程好いテイストと、柳先生のホームズ愛が散りばめられた一冊だ。
2021/10/08
KAZOO
ホームズ物のパスティーシュですがもともとは映画の脚本であったようですね。読んでいて数年前にディズニーの映画でメキシコが舞台のコミックがあり主人公の少年が死者の国に父親を捜しに行った話を思い出しました。この本ではホームズは骸骨にワトソンは犬になっています。モリアーティは蜘蛛ですが何とか猫のカトーの助けなどにより元の世界に戻ります。さっと読む分には楽しめます。
2021/09/01
sin
ライヘンバッハの滝壺に消えたホームズと、原作のいきなり感半端ない永遠のライバル?モリアーティの、その行方を冥界に設定することで、ホームズの不在と復活を考察した設定にしろキャラクター造形にしてもアニメ臭がプンプンする物語である。そこに目醒めたやってはいけないと言われたことをどうしてもやってしまう天然足引っ張り助手ワトソンを語り手に、推理の楽しみにかまけて真の意味を御座なりにした名探偵が、冥界創造の謎に挑む!原作には現れないバリツの達人、猫のカトーがこの物語の肝だね「アチョ~!」
2021/08/18
ひさか
2021年7月角川文庫刊。書き下ろし。ライヘンバッハの滝に落ちたホームズは冥界に髑髏となって転生していた。というアニメ化原案を下敷きにしたトンデモなホームズ譚。ワトソンも、宿敵モリアーティ教授も登場して、ホームズ世界の楽しい展開が面白かった。
2021/09/12
うまる
『最後の事件』から『空き家の冒険』の空白の期間を埋める前代未聞の物語。ホームズの唐突な復活は色々考察されていますが、これは斬新な解釈で面白かったです。『四つの署名』の裏回答としても良くできていたし、同作に当日の日付の月が2つある事と、シリーズが短編から人気が出た理由にも説明がつくのが凄いと思いました。聖典読み込んだだけの事はあるわ。ほんと、よく考えたなぁ。 事件と推理という一般的なミステリではないので、ホームズ未読の方にはこの作品の面白さがわからないと思います。『四つの署名』くらいは読んだ方が良いかも。
2021/08/20
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