遠巷説百物語
遠巷説百物語 / 感想・レビュー
starbro
京極 夏彦は、新作をコンスタントに読んでいる作家です。読み続けている〈巷説百物語〉シリーズ11年ぶりの新作、【百物語×遠野物語】弁当箱本復活と相成りました。オススメは、『歯黒べったり』&『出世螺』です。 https://www.kadokawa.co.jp/product/322009000361/
2021/07/22
Richard Thornburg
感想:★★★★★ 巷説百物語シリーズ第6弾! 6篇からなる短編集です。 タイトルに「遠」とあるのでピンとくると思いますが、盛岡藩遠野保でのお話です。 主人公は盛岡藩筆頭家老の密命を受けて市井の動向探る宇夫方祥五郎。 一方で妖怪になぞらえた謀で恨みを晴らす仕掛人側のメインは、前作の「西巷説百物語」から、ふたたび「靄船の林蔵」から「八咫鴉」にチェンジ。 「八咫鴉」・・・そうです。 又市サンをはじめとする懐かしいメンバーが登場します。
2022/07/21
KAZOO
京極さんの百物語の最新刊です。以前の内容はすっかり時の彼方で今回はまるっきり新しい感じで読みました。6つの話があるのですがどれも遠野の民俗的な逸話を絡ませているようです。カラー版の絵が入っているので興味が書きたてられます。語り手は盛岡藩の藩主から密命を帯びた人物でどちらかというと民の動向を探るという合間にばけものの話が出てきます。それを大掛かりに仕掛ける人物が二人います。
2021/09/05
うののささら
雑多な習俗文化がないまぜになり化け物が集まるまち遠野。市井の風聞を探り民草の暮らしを見定めるため怪しい噂があると出向いていく殿様直属の密偵。事件の起きた理由、今後の影響を把握して下の暮らしの些事を知る。八方塞がりの困りごとや収まりのつかない面倒事を奇天烈な手段で解決していく。オリンピックの小山田圭吾のような悪手愚策はなかったことにするしかない。中国に嫌がらせされても切ることができない世の理。今の日本には優秀な密偵はいなかったな。 楽しく読めました。
2021/08/06
愛玉子
古くより伝わる「譚」、人の口の端に上る「咄」、怪異が現れる「噺」、絡繰が明らかになる「話」。一片の流言にも事実の欠片は含まれているものだが、それは故意に埋め込まれた場合もある。怪異が流布する頃にはすでに仕掛けは動き始めているのだ、ご定法でも義理人情でも如何ともし難い厄難を消し、帳尻を合わせるための仕掛けが。民話の聖地・遠野を舞台に語られる噺は、化け物遣いたちの存在をちらとも見せず、やがて咄になり譚になっていく。この分厚さ、そして非道な話ばかりにも関わらず、すっきりと読めました。次巻の了で終わりなのか…(涙
2022/02/13
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