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ののはな通信 (角川文庫)

ののはな通信 (角川文庫)

ののはな通信 (角川文庫)

作家
三浦しをん
出版社
KADOKAWA
発売日
2021-06-15
ISBN
9784041110676
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ののはな通信 (角川文庫) / 感想・レビュー

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アン

ミッション系の女子校に通う同級生の「のの」と「はな」。昭和59年の日付けから始まる二人の想いを綴った往復書簡。友情を超えた感情が二人に芽生え、惹かれ合い、交流は一旦途絶えますが20年の時を経てメールで再開。思春期に抱く戸惑いや危うさ、心が満たされる喜び、情熱と理解、未来の自分探しと人生の選択。「運命的な恋」に出逢ったことで、自分の内面が変化し世界が広がり生きる希望へ繋がること、遠く離れていても心は通い合い人生の支えになることが伝わってきます。お互いの幸せを祈るかけがえのない想いはいつまでも、どこまでも。

2021/07/09

dr2006

往復書簡(手紙、メール)のみで編まれた作品。自由な性に対するしをんさん的な切り口に感銘を受けた。始めて知った自他愛とその経験に甘く縛られることの窮屈さが繊細に描かれている。「のの」と「はな」はお嬢様学校と言われる高校のクラスメート。茎の細さに対して大きな百合の花が風を受けて揺れる姿が、信頼と疑心との間で揺れ動く「はな」と「のの」に重なる。惹かれ合う二人を引き裂いたのは、結局惹かれ合う気持ち自体なのかもしれない。昭和から平成への時代の流れの中で、逞しく生きていく二人の女性の姿を描く作品としても堪能できる。

2022/10/21

よしのひ

「のの」と「はな」の手紙やメールだけで進んでいく展開。高校の甘酸っぱい手紙のやりとりから、大人になって数十年後にもあるやりとりに、壮大さがあった。また文字を送るという行為って、相手に自分の気持ちを伝えるのはもちろん、心の中にあるものを吐き出すことによって、自分を見つめ返す機会になっていたんだなと、彼女たちから学んだ。そうか、だから手紙やメールでも鏡に例えることができるんだなと。また終わり方も、この2人だからこその展開で、最後まで1つの物語であった。そして何より2人を1人で言葉巧みに操るしをん氏偉大なり。

2023/04/19

水色系

手紙は、特定の相手に向けた気持ちが綴られているもの。書簡体小説という形式は、2人の主人公ののとはなの、友情とか愛情を超えた濃い繋がりを表現するのに最高だと思う。ゾンダ共和国、私も思わずググった。存在しないのが信じられないくらいリアルだった。2人の往復書簡が第5章、第6章と続くことを願う。

2021/07/28

さくりや

初・三浦しをん!読みやすかったが登場人物の誰にも共感することなく読了した。それは私が恋愛感情もなければ人への興味も薄い人間だからで、そうじゃない人たちにとっては感動的なフィナーレを迎えたんだな、とは察した笑。何なら若い女に手を出せるから楽しい与田と面白い本を読めるから楽しい私は同類だろうし。ゾンダ共和国の暮らしは興味深く、架空の国だとは思えなかった。外交官の生活を垣間見れたのも良かった

2021/08/06

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