君たちは今が世界 (角川文庫)
君たちは今が世界 (角川文庫) / 感想・レビュー
itica
学級崩壊寸前の6年3組。子供を侮ってはいけない。支配したがる子、教室の中心になりたい子、空気の読めない子、ぼっちが嫌で合わせる子。30人いれば30の個性が一つの部屋の中で化学反応を起こす。そんな子供たちの姿は大人の世界の縮図を見るようで辛い。教師や親だけでなく、大人は子供を見守ってゆく責任があると感じた。エピローグで少し救われる。
2024/04/24
kei302
KUでレンタル。文庫化でほのか篇が追加されているが、まっすう先生の話で終わる方が感動が深かったのになあと、ちょぴり残念な気分。順番変えた方がいいよ。公立小学校の6年生の心情や人間関係がリアル。入試問題に多く引用されるのにも納得。
2023/02/23
エドワード
小学生のクラス、それは大人の社会の鏡だ。だが彼らは意地悪や茶化しや悪戯が大好きだ。騒ぎ始めたら止まらない。サブタイトル「みんなといたいみんな」「こんなものは、全部通り過ぎる」が強い同調圧力を表していて心が痛い。あまりにひどい悪戯に、先生は「皆さんは、どうせたいした大人にはなれない。」と言い放つ。先生に同情するが、生徒にも同情する。大人になり、先生になった女子は振り返る。「それでも近づく余地は残されている、という意味だったのではないか」と。子供たちは家庭環境も性格も千差万別だ。教育者は本当に聖職だと思う。
2022/01/20
モモ
文庫書き下ろし特別篇があるため再読。ずっと、みんなに優しいのに軽んじられていた、ほのかが主人公。擦り切れた水着などの理由が分かる家族の状態。一人で背負っているものが子どもなのに重すぎる。でも、救いを見つけ、一歩一歩進んでいく姿に希望を感じる。やはり、この話は好き。
2023/06/23
おかだ
何目線で読むかってやっぱ親目線になってしまって。しんどー。自分の子供が今こんな狭い世界で生きていくしかないと思うと胸が苦しくなる。まあ、自分も多かれ少なかれ通ってきた道なので、通過儀礼というか、仕方がないのだろうけども。この残酷な世界をなるべく穏便に通り過ぎる為の知恵とか、処世術を教えてあげられたらいいのだけど、まあこの位の歳の子は親の有難い忠告なんて聞かないから。この本を捧げたい。自分はどうか、自分ならどう感じるか、考えながら読んで欲しいな。子供にオススメ度★★★★
2023/02/19
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