あの夏、二人のルカ (角川文庫)
あの夏、二人のルカ (角川文庫) / 感想・レビュー
イアン
★★★★★★★☆☆☆ガールズバンドの活躍が眩しい誉田哲也の長編。離婚し帰郷した遥は、ふと見つけたリペアショップに自身の過去を重ね合わせる。一方、高校生でドラマーのクミは、圧倒的なカリスマ性を持つヨウと出会い…。2つのパートがどう繋がるのか、14年前の夏に何があったのかという謎が甘酸っぱさを伴って収束するラストがいい。バンド経験のある著者だけに、音楽への深い造詣も感じられた。事件らしい事件はほぼないけど、主人公の心のツッコミが痛快なのは姫川シリーズを彷彿とさせる。唯一グロかったのはエスカルゴの食事シーンか。
2021/06/02
H!deking
これも面白すぎて一気読みでした!バンドやったことない人にはわかりづらいとこもあるかも知れないけど、逆に言うとバンドやってた人にはめちゃくちゃ刺さります。ラストはちょっとウルっときました。
2021/06/03
タツ フカガワ
バツイチとなって沢口遥が帰ってきたのは東京・谷中の亡母が残したビルの一室。近所で“ルーカス・ギタークラフト”という看板を見つけた遥は、店主の乾滉一が製作したというバラの彫刻があるギターに魅せられる。一方、女子高に通うクミは、同級生の瑠香の応援もあって翔子、実悠、ヨウとルーカスというバンドを組む。本書は遥、滉一、クミの3人の視点で語られていく青春小説。誉田さんの“武士道”シリーズに通じる笑いと涙に包まれた内容で、とくに遙と滉一がクミのバンドと交錯するところから、涙腺が刺激されて一気読みでした。
2023/01/09
mayu
離婚して仕事も辞めて地元に戻ってきた女性。ギターのリペアマンの男性。プロになることを夢見てガールズバンドを組む女子高生。少しずつ重なっていく。ともに歩むかもしれない未来に向けて、忘れられない過去を紐解いて。1人目のルカはすぐに分かるけど、もう1人のルカは彼女のことだったのか。純粋で真っ直ぐ、でも不器用で、だからこそ輝いていたあの夏。それは、私にとっては音楽ではなかったけれど、がむしゃらだったあの頃の気持ちが今では懐かしい。大人になった今。今だからこそ味わえる夏。それを、私も見つけてみたい。
2021/07/08
相田うえお
★★★☆☆24045【あの夏、二人のルカ (誉田 哲也さん)k】ロックバンド活動というメインソースを用いて時間軸を絡ませながら広がっていく構成の作品でした。その頃にバンド活動してたよ〜という方なら特に楽しく読めると思います。(当方も学祭でバンドのE.ギター担当で数曲演奏したんですけど、仲間と真剣に練習したこととか、曲の選択が青かったなぁ〜とか、なんだか懐かしさと当時の一生懸命さを思い出して顔が綻んでしまいました。音楽に限らず、仲間と何かをやり遂げるっていいものですよね。)この話、個人的には良かったなぁ〜。
2024/05/05
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