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弓を引く人

弓を引く人

弓を引く人

作家
パウロ・コエーリョ
山川紘矢
山川亜希子
出版社
KADOKAWA
発売日
2021-11-20
ISBN
9784041114162
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弓を引く人 / 感想・レビュー

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いこ

弓道の達人が、村の少年に「弓の道」を教えるという設定の話。その語られる言葉たちが、もう、一つ一つ美しくて感激してしまった。私は、いつの間にか静謐な弓道場にいる。正座をして、師の言葉に耳を傾けている。「弓を引き絞る、正しい呼吸をする、的に集中する、自分の意志を明確にする、姿勢を優雅に保つ、的を敬う。弓の道は人間のどの活動の中にも存在する。」「茶道」や「武士道」など、「道」を極めることは大変難しい。しかし、極められた技・所作・言葉等は、その極めることの難しさゆえに、いつまでも美しく輝いている。

2022/05/03

ケロリーヌ@ベルばら同盟

読みながら姿勢を正す。弓道と求道は、極めて近い。弓弦、矢羽根、大気を振動させ生じる清澄な音色が導く心の行方。対象を敬い、弓を引き絞り、全身全霊で矢を放つ。鍛錬と魂の有り様が凝固するその瞬間。砂色の地に、黄土色、白と墨。簡素で端正な装画に惹かれ手に取った本。美しいことばの矢が、読者の胸に深々と刺さり、生きる喜びと畏れが、泉のようにこんこんと湧きだす。

2022/04/30

ナミのママ

20代で『アルケミスト』を読んで以来、パウロ・コエーリョの作品は全て読んでいる。今作は短い作品でイラストも入っている。精神世界系の作品である事には変わりないが、ほとんどが弓をたとえに使っている。弓、矢、的。日本人にとって(海外の人はどうか知らないが)あまり馴染みのないもの。弓を射った事がない人が多いのでは?そのせいかピンと来ない。言わんとしている事はわかるのだがストンと落ちない。著者の作品の中ではわかりにくいものに思えた。

2021/12/25

Y2K☮

「弓の道」とは社会生活から離れて行う大仰なものではない。日々の暮らしの中に潜んでいる。技の習得も大事だが、そこに囚われるとより大事なものを見落とす。禅における「悟り」の捉え方と似ている気がした。書店やスーパーのレジ打ちがそうであるように、繰り返すことの内容は実は一回ごとに全て異なっている。本を読み、文章を書く行為もまた同じ。正しい動作をしたのなら失敗を恐れずに矢を放つ。放ち続ける。的を外したら次はどうしたらいいかを学ぶ。もし自分が的ならどんな矢に射貫かれたいかと考える。射手の熱意が的の存在に意味を与える。

2022/01/21

SHIN

まるでポエムかのように〝人の生き方〟を弓・矢・的で例えている。人は魂(心)を伴って行動すると、強い出会いを引き起こすという。その他、喜びを感じてる人と仲良くすると、喜びは伝染するとのこと。反対に、ネガティブも伝染するから気をつけなければならない。

2023/09/11

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