平安ガールフレンズ (角川文庫)
平安ガールフレンズ (角川文庫) / 感想・レビュー
どぶねずみ
今年度の大河ドラマの予復習になった。本書は著者が紫式部や清少納言、菅原孝標女、藤原道綱母、和泉式部に対してかなり親しい間柄のような女性目線で書かれたエッセイなので、古典文学への苦手意識が払拭できない私には和歌がとても身近に感じるようになった。社会がどう変化しようとも女性の意識は今と変わらないんだなぁと思わせるところにぐっと心を持っていかれた。『光る君へ』は面白く鑑賞しているけど、予備知識が薄いために物語の進捗と同時に自分の理解が追い付かなくて苦労していたので、そういう意味でも本書は私にはとても役に立った。
2024/05/25
ピンガペンギン
酒井順子のエッセイはやっぱり面白い。清少納言、紫式部、藤原道綱母(蜻蛉日記)、菅原孝標女(更科日記)、和泉式部が取り上げられていて、酒井さんが枕草子を現代語訳もした清少納言の章が一番生き生きと語られていて何度も吹き出した。1000年経っても人の心は驚くほど変化していないと。承認欲求高めで、褒められたことや嫌いなものやひとの悪口をあけすけに語る清少納言。和歌が出来ない夫が「和歌を送ってきたら敵だと思うから」と言っているのを承知で、和歌を送って決裂したんだとか。紫式部は出仕してもしなくっても居場所のなさを→
2024/05/23
びっぐすとん
酒井さんのこの手の本が好き。清少納言は承認欲求の強い女、紫式部は拗らせ女子、道綱母は空気読めない女、孝標女は夢見る中二病、和泉式部は好奇心旺盛な恋愛体質。なるほどねえ、こんなクラスメートいそうだわ。使うツールや生活事情は違っても、働く女やシングルマザーの苦労、老後の不安の問題は今も全く変わらない。今なら清少納言はSNSで発信しまくりだろうし、孝標女は「なろう小説」書くだろうし、道綱母は「あの女、死ね」とか書いて炎上しそう。和泉式部はカリスマキャバ嬢かな。紫式部は直木賞作家で1000年前と変わらないかも。
2022/01/03
グリーンクローバー☘
『光る君へ』から手に取る。自己顕示欲バリバリの清少納言がウイカさん!紫式部の強かさを吉高由里子さん…上手に表情で語ってるわと感心してしまった!学生の頃は点数取る為にだけ暗記したみたいで何も知らない。今も昔も人の心は変わらない…。強姦みたいな事も昔はあったみたいだから今のほうがいいな。
2024/07/05
まみこ
書物を通して清少納言、紫式部、菅原孝標女、藤原道綱母、和泉式部の性格を分析するエッセイ。古典文学の作者が酒井さんの筆によって、急に親しみを感じる存在になるのが面白い。この時代は女流文学の最盛期だが、作者は受領階級の娘など、高すぎない身分の女性が多い。それは高すぎない身分が、自由に自分の考えを執筆する妨げにならなかったことが理由だとか。この中では「源氏物語」「枕草子」辺りは読んだことがあるが、改めて他の作品も読んでみたい気にさせられた。
2024/04/28
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