奸婦にあらず (角川文庫)
奸婦にあらず (角川文庫) / 感想・レビュー
犬養三千代
多賀神社で忍びとして育った少女と井伊直弼との交流…時代に翻弄されているようでしっかりした足取りのタカ。愛する人や子を失っても淡々と生きる。三条で晒されても生きる。凄い生命だ。それも、たった一人本当に愛した人の面影を抱いている。孤独に打ち勝ったのは凄い。
2023/12/22
まる
文庫本としては厚めの600頁余。気分が乗らず2ヶ月もかかってしまった。だが、作者の思いは伝わって、幕末の悪役直弼は文武両道の真っ直ぐさへと置き換わった。2人の恋愛を描く前半、藩主となった直弼が間者と知ったたかとの離別でいよいよ密偵の部分になると、たかの動きが殆どと言っていい程に描けていない。肝心の所なのに小説らしい膨らみがなく残念。直弼暗殺からたかの張り付けは盛り上りがあるのは、やはり資料の多さがイメージを膨らませるのだと感じた。直弼とその女密偵という面白そうな題材に安易に飛びついた結果だと思った。
2023/01/27
のあこ
長いけど、疲れるけど、面白かった。 幕末期の動乱にを生きる多賀大社坊人たか女が愛に生き、志に生きるお話。 昨春、彦根城と周辺のお寺まわったけど、先に読んでたら、現地での感動も違ってただろうな。 私の志って何だろう。
2023/07/03
goodchoice
諸田さんの力作なのだが、少々生々しくて個人的には少し苦手だった。
2021/11/04
たつや
新田次郎文学賞受賞作品。寺社の坊人として、井伊直弼に近づき、恋に落ちた村山たかの波乱の人生。安政の大獄で傍若無人のイメージが強い直弼であるが、こんなストーリーがあったとは知らなかった。
2022/05/13
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