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花嫁化鳥 (角川文庫)

花嫁化鳥 (角川文庫)

花嫁化鳥 (角川文庫)

作家
寺山修司
出版社
KADOKAWA
発売日
2021-07-16
ISBN
9784041116487
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花嫁化鳥 (角川文庫) / 感想・レビュー

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かふ

寺山修司の民俗学的な本なのだが、そこは寺山修司らしく週刊誌のゴシップ記事的な内容になっている。そこからの寺山修司の考察が面白くサブカルチャーというものを確立しているのかもしれない。世俗的な大衆の深層における精神というような。これはある部分柳田国男のアカデミーではなくフィルドワークという在野の思考という民俗学を継いでいるのかもしれない。エッセイ的なところから読ませる文学的な作品になっているのも今日的というより、すでに滅んでしまった世界の虚構性なのだ。

2023/02/23

真琴

風葬、裸祭り、鯨の墓など、日本文化における奇妙な風習を自身を金田一耕助になぞえ旅した紀行文。寺山さんの根底に親子(母親)の血縁による絆のようなものがあるのだな、と感じました。

2022/11/12

ハルト

読了:◎ 日本における奇怪な風習。奇祭。それらがなぜ現在においても残されているのかを考察しながら、日本人観にもせまる紀行文。自身を探偵・金田一耕助となぞらえて旅をして、根底にある、呪術的な因果連鎖的血縁をひらめかしたりもする。寺山らしい土俗要素に満ちており、歴史とはただの物語や伝説でしかなかったものだった彼にとって、この旅は、しかとした現実となり、日本人の概念ともなり、現実の血肉にもなったのだと思った。

2021/09/02

タニッシュ

彗星ブッククラブ2月の本にあったので読書会の為に波動読みをしたが、森大那や他の人と読書会をした後で改めて再読し、寺山修司と一緒にじっくり旅をした。 読書会で唯一選ぶとしたらどの話かについて『浅草放浪記』がいいとの声が多かったが私は敢えて『花嫁化鳥』を一番にしたい。花嫁という語の虚構性や二度と戻れない感傷性はこの本の中のそれぞれのエピソード全てに共通する寺山修司の鋭くノスタルジックな感性となってそこかしこに咲いていたから。 引用『地上の生活では破りがたい意識の壁を砕いています』(森崎和江)が気になっている。

2024/03/20

アルマジロ

旅行記でありながら、謎解きでもあり、歴史書でもあり、詩である。名作。

2023/11/26

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