夢のあもくん (怪と幽COMICS)
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夢のあもくん (怪と幽COMICS) / 感想・レビュー
こら
諸星作品が2冊同時刊行されるとは、モロホシストにとって何という僥倖!稗田先生や栞と紙魚子もゲスト出演という心憎さ。惜しむらくは前作『あもくん』と比べて、怖さが減っていること。ギャグや落語のオチのような作品より、このシリーズはガッツリ恐怖を前面に出してほしかった。ただ、それは他の諸星作品と比べての事。この作品も唯一無二には間違いない面白さ。
2022/03/31
ぐうぐう
実に7年ぶりとなる『あもくん』シリーズの続刊。あもくんの周囲に起こる怪異を数ページの短さで描いた連作集だけれど、侮るなかれ、このシリーズには諸星大二郎の魅力が全て詰まっていると言っても過言ではないのだ。怪しさはもちろんのこと、その怪しさがちょっとしたことでおかしさになる展開は、まさしく諸星漫画の醍醐味。それでいて、ケラケラ笑っていると、不意にホラーになったりもするのだから油断ならない。稗田礼二郎や栞と紙魚子がゲスト出演しても、まるで違和感がないのも、これがど真ん中の諸星漫画である証しなんだよね。
2022/04/24
阿部義彦
諸星大二郎さんの、守くん(あもくん)を主人公とした物語です。コチラは角川書店からで、角川で出してる『幽』『怪と幽』に長年にわたって細々と連載されたものだそうです。小学館の諸星大二郎劇場でも、あもくん(と茜ちゃん)を主人公とした短編があったので、すんなりと入って行けました。ワンアイディアの不条理ホラーと言えるかもしれませんが、ゲストで稗田さん(妖怪ハンター)、栞と紙魚子が登場したり、お得感満載で、描線も色んな技法に凝ってみたり遊び心溢れてます。夢の中に入り込み解決をするなんて、筒井康隆の『パプリカ』みたい!
2024/07/24
しましまこ
今回も不気味で不思議にユーモラス。しかも稗田先生に栞と紙魚子まで!ありがとうございます。まさかこの本で爆笑するとは『ムンクの女』楽しかった。
2022/03/31
内島菫
夢ではたいてい何かに追われていたりするが、あもくんもあもくんのお父さんも給水塔や奇妙な女性(?)たちやマスク等に追われている。そして少しずつ違えて、というより少しずつ差し迫ってくる感じで、繰り返す。けれども決定的瞬間は避けられ、何かが解明することもない。茜ちゃんの言う「夢は全部真実(ほんとう)なのよ」というのはつまり、理由のなさや辻褄のあわなさ、決定的で大事な瞬間のなさ、そして、唐突に何か(例えば「夢は真実」ということ)を直観すること、それらすべてはほんとうに現実にも起きているということなのだろう。
2022/04/24
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