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絵の中のモノ語り

絵の中のモノ語り

絵の中のモノ語り

作家
中野京子
出版社
KADOKAWA
発売日
2021-12-24
ISBN
9784041118863
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絵の中のモノ語り / 感想・レビュー

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アキ

表紙のウィリアム・ホルマン・ハント「イザベラとバジルの鉢」フィレンツェの富豪の娘イザベラが鉢を愛おしそうに抱きしめているが、心ここにあらずといった表情。鉢には髑髏の飾り。バジルはピザにも使われるハーブ。語源はギリシャ語の王basileus。王の薬。これはジョヴァンニ・ボッカッチョ「デカメロン」の物語画。髑髏の下にLorenzoと刺繡が見える。家の使用人ロレンツォと恋仲だったが、兄に殺され、彼女は森で殺されたロレンツォの首だけ切り取り鉢に入れて、バジルを育てた。著者の取り上げるモノは、なかなかのモノばかり。

2022/02/08

ハイランド

「怖い絵」で絵画にまつわる物語や背景を解説する手法で名を挙げた中野京子先生、手を変え品を変え、絵画の世界に私達を誘う。う~ん、商売上手! 絵画に描かれた”モノ”、アトリビュートではない”モノ”から絵にまつわる様々な物語を語ってくれる。絵が大きくて見やすい。一枚の解説は短くて読みやすい。上質な一冊。この本に2枚紹介されているカラバッジョだが、バッカスの絵がなんとも妖艶で妖しい。観たくもあるが目をそらしたい。惹かれるが近づいちゃいけない。ということで稀代の画家にして人殺し、カラヴァッジョは私は苦手であります。

2022/09/04

keroppi

絵のディテールである描かれたモノに焦点を当て、絵を解説する。ひとつひとつの文は短めだが、一つのモノこだわって絵を語っていくのは、新たな視点を見せてくれ、なかなか面白かった。この「モノ語り」、雑誌「エクラ」に連載されたものだそうだが、その前に「通販生活」に書かれたものもあるようで、そちらも読んでみたい。

2022/02/17

読特

月刊誌「エクラ」。男性には馴染みのない女性ファッション誌。そこに連載された画の中の「モノ」エッセー。3ページあまりという文字数はあまりに短い。三十二点の名画をあっという間に鑑賞。もう一度最初から絵を見返す。「提灯」「釘」「案山子」「箒」「バジル」「蝶」「ドラゴン」「日傘」「スケート靴」「光輪」「星座」「十字架」「ラッパ」「パイプオルガン」・・・。確かに「モノ」の印象が強く残っている。雑誌の趣旨は紙面での「モノ」売り。実物に触れさせることなく記憶に残す。買わせてしまう。そこが中野節に期待されたのか?

2022/02/08

Nat

図書館本。絵の中のモノに注目したエッセイ。よく見たことがある絵も多かったが、初めて見る絵も沢山あった。前から気になっていたが、『ベリー公のいとも豪華なる時禱書』は実際に見てみたい。またバーン・ジョーンズの『「愛」に導かれる巡礼』、パルミジャニーノの『アンテア』ヴァン・ダイクの『エレナ・グリマルディ侯爵夫人』なども良かった。ボッティチェリの描く光輪の繊細さも素敵!でも、ハントの『イザベラとバジルの鉢』のイザベラは怖すぎる。

2022/08/12

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