甘夏とオリオン (角川文庫)
甘夏とオリオン (角川文庫) / 感想・レビュー
Willie the Wildcat
出自。意識・無意識に纏う鎧。人生の紆余曲折の中で心身を傷つけながらも、直接的には師匠たちが、間接的には演目で3人を導く。印象的なのが、夏之助が語る『代書』、そして遊楽が語る『一文笛』。本質を見極め、向き合う!腹に落ちるのは、言葉のみならず、中身が伴うからこそ也。だからこそ、若夏の弟子入り過程と、甘夏命名拒否の件は笑う。そんなこんなも、オリオンは全てをお見通し?!なお、”窮地”で再会したレイコとの件も印象的。窮地に寄り添う、それがMSGかな。
2022/08/12
のんちゃん
上方落語の師匠の下、稽古に励む女噺家甘夏。ある日、真面目な師匠夏之助が失踪してしまう。残された兄弟子二人と師匠を待つ日々が始まった。私は落語が好きだ。何冊も落語の本も読んだ。が、今作はそれらよりもその真髄を教えてくれた。師匠の一言「現実の世界は厳しいもんや。厳しい現実を認めた上で、人生を、肯定する。落語の底流には、そう言う考えが流れてる」そう、どうしようもない人や事柄の肯定、そういう優しさを持つ落語が私は好きなんだと思った。他にも女噺家の甘夏の苦労等、落語の世界が広がっている本作、私にはヒットだった。
2022/03/15
優希
落語そのものをよく知らないので、あまり話に入って行けなかったのが残念です。
2022/06/08
しげき
女性落語家が主人公の話。落語の話がメインですが、日本の歴史の闇というか社会問題も今作品にも触れており、著者の作品を読むといつも勉強になる事が多いです。様々な偏見に苦しんでいる人達が世の中にはまだまだ多いということを忘れてはいけないと思います。落語よりそちらの方が印象に残りましたが、寄席にも一度行ってみたいなあ。
2022/04/15
香翠
数年前に初めて落語を聞く機会に恵まれ、その魅力に惹かれたものの、その後は「聞きに行きたいな。でもねぇ〜…」という現状続き。そんなところにこの作品と出逢いました。久しぶりに落語に触れ、あの時の雰囲気、空気感を思い出させてもらいました。やっぱりいいなぁ。次の機会が近くに居ますように!
2022/03/23
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